Exステージ ➶ スキル発動

〈ピンポンパンポーン〉

※この回の表現はチートです、実際の競技とはあんまり関係ありません、十分ご注意ください。


 仮想空間での戦闘の様子を、俺はブースにあるモニターから眺めている。

 何やら新たな力を手に入れた問題児達は、弓道FPSを楽しんでいるようだ。


——レギュレーションはこうである。


・感覚Lvー「スーパーモード」

・身体能力Lvー「スーパーモード」

・使用する道具ー弓と矢のみ

・リロード時間ー無し、弾数無限

・スキルー有(要課金)

・形式はバトルロイヤル


 ステージは、選抜大会で三本高校と戦ったステージだ。

 [第31話参照]


——試合の様子——


「ニャッハッハ! そりゃそりゃそりゃ!!」


 メイド姿の藤原は、歩道部分を駆け走りながら、中央の物見櫓に向けて矢を高速連射している。


——――—タタタタタ!!!!


 騎士のような姿をした榊󠄀原はそれに反応し、物見櫓から飛翔すると、藤原に対し空中から矢を射ち返す。


「おりゃあああああ!」


―――――――タタタタタ!!


 矢を放ち、そのまま空中に浮遊すると、そのまま藤原に高速接近する。

 対する藤原も、瞬間移動するように、空中にいる榊󠄀原に接近する。


「ちぃ!! うニャぁぁぁぁぁぁ!!」

「そらぁぁぁぁぁぁぁ!!」


―――――――タタタタタッカンカンカン

    ―――――――タタタッキィン!


 互いに空中で激しく射ち合っている。

 なんだか互いのアバターは、眩い黄色いオーラを放っている。


―――――――バシュバシュ

    ――――――バシュバシュバシュ

――――キンキンキンキン――


(なんだこれ、空中で射ち合ってんのか? みえねぇ。ビームでも射てそうだ……)


 ここで、2人から離れた場所、森林の中に隠れていた妖狐が空高く飛翔する。

 そして決めポーズをとる。


〈キュピーン!!〉


 その後スキルを発動した。

 ちなみに、尻尾が9本ある狐巫女の姿だ。


「ゆくぞ!! 妾が魔術、受けるが良い!」

『フォックス・ブレイド!!』


 狐の鳴き声と共に、薙ぎ払った弓から、身体が半透明の魔獣が飛び出す。


―――――キュオーーーーン!! ✕9


 その魔獣は、空中で戦う2人に、超絶な速度で飛び掛かる。


「ニャッハッハ! 魚骨の利とわニャッ! でもそうはいかニャイ!!!! ここは退避ニャッ」

「なにぃぃぃぃぃ!! こうなりゃスキルだ!!」


(魚骨の利って何? 身だけ食べるって事か?)


 2人は瞬時にその場から散会すると、魔獣は二手に別れた。


――――――――キュオォォォォン!!


 藤原は地上へと降りると、森林の中を蛇のように超高速で移動する。

 そのまま対空射撃で迫りくる魔獣を射ち落としていく。


――――――――バシュンバシュバシュッ!

―――――パァーン!!

     ―――パァーン! バコォン!――


 射ち落とされた魔獣は、断末魔を叫びながら消滅していく。


「ようこぉぉぉぉぉ! いくぞぉぉぉぉ!!」

『シャイニング・アロー・ブラスタぁぁぁぁ』


 榊󠄀原から離れた矢が、雷撃のように屈折しながら、魔獣を次々と貫通していく。


―――ズガァン! バリバリバリバリ!!――

      ―――――キイィィン!


「なんと!? 妾の可愛い魔獣達が!? ならば妾が直接相手しようぞ!!」


(なりきってんな)


 妖狐はその場から瞬間移動すると、榊󠄀原と対峙する。

 榊󠄀原はニヤリと笑うと、妖狐と至近距離で矢を射ち合う。


――――――ドゴンッ! ドゴン―

      ――ドゴンバキィ!


―――ガンガンガン!! ボコォ!!


(なんだこれ……射ち合ってんのかこれ? なんか火花散ってね?)


「クックックッ!! 我が奥義!! 見せてやるニャ!!」

『召喚魔法!! 八岐大蛇ヤマタノオロチ!!』


 地上に突如巨大な魔法陣が現れる、森林の木々をなぎ倒しながら、禍々しい巨大な蛇が召喚された。


――――グシャァァァァ!! ✕8


 藤原はそのうちの1体、頭の上へと搭乗すると、弓を掲げそれぞれの蛇がブレスを吐く。


―――――――〈ゴオオオオオン!!〉✕8


「一旦停戦だ! 先にあれを仕留めるぞ!」

「承知した、ゆくぞ!!」


 戦闘していた2人は互いに藤原へと向き直ると、共闘を始め。

 矢を射り、弓を振るい、八岐大蛇と戦っている。


―――――タタタタタッ!! ガンガン――

――ザシュンザシュン!!

――――――――ズバァン!! ズバァン!!


 藤原は痺れを切らしたのか、その場から飛び出した。互いに叫び声を上げ、急接近していく。


「うにゃゃゃゃゃ!!」

「こんのぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



―――――こうして


 しばらくこの戦いは続いたのだった。


(はぁ。帰りたい……)

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