お盆休み4話
午後、父親は庭に出て車庫作り、母はテレビを観て。シノとお姉ちゃんは別々に過ごした。動画見たり、課題したり。でもいまなにしてる?とかひまー!とか、メッセ送ったりして互いの状況は把握してた。
けど、既読がつかなくなった。お姉ちゃんは着メロつけてるし、ゲームで消音にはしてない。ちょっと空いてるドアから様子を見た。ちっちゃくなって髪解いてる。眼鏡は床の上だった。
「ことちゃん」
近づいて呼びかける。
「しの、りん…」
まだ味方の認識ができるみたいだ。だけど呼吸がだいじょばない。このままだと過呼吸がひどくなる。大丈夫だよ、の意味を込めて手を添える。
原因はなに?勉強、両親在宅…あ、これか。
車庫作りの音——。
大声や耳を塞ぎたくなる音は敵だから。
「しのりんの、方が酷いのに、僕は…」
またそんなことを…。
「シノは大丈夫だよ、怖かったね」
あと、料理の音かな。胡椒瓶とかそっち系のもの置く時の音でビクビクしちゃうからそれもあるかも。
「ん…」
お姉ちゃんの涙を拭う。独りにしてごめんね。シノならいつでも呼んで、お姉ちゃんのことは全部肯定するから。
落ち着いてからは推しアイドル(二次元)の歌を一緒に歌った。
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