第七話 本心
オリビアさんと永遠に続く、道を歩き続けていた。すると、急にオリビアさんがった。
「ねぇ、あなたは初めて何日目?」
「二日目です」
「二日目!?二日目にしてはあなた動きよかったわよ」
「ありがとうございます」
この会話の数秒後、またオリビアさんが質問を投げかけてきた。
「あなたのパートナーってどんな感じ?まだ、初めて間もないと思うけど」
「そうですね……これは本当のこと言っていいんですか?」
「二日間で、本音を言えるならいいわよ」
そういわれて、私は一息おいてから言った。
「彼はですね。私にとって運命的な出会いだと思います」
「そこまで言っちゃうの?あなた、雰囲気からして一般家庭で育ったわけじゃなさそうね?」
「そうです。私は、北の国のドタイフラという国から来ました。」
「ドタイフラね?聞いたことあるわ。その地域はとても寒いんでしょう?」
「はい。とっても寒く冬なんか外に出てる人いません。それほど寒い国なのです」
「聞いたことはあったけど、そこまで寒いとは……」
私は、少し間をおいてから府あたたび話した。
「それで、私はフルネームで言うと長いんですよ」
「そうなの?まぁ一度言ってみてよ」
「まぁ、長いと言っても普通だと思いますがね……」と言い深く息を吸い込んだ。
「エマ・アレスタント・ビルハイツ・アイゼンス・マラニーア・マゼイフです」
オリビアさんのほうを見ると、頭にはてなマークが浮かんでそうな顔をしていた。私が「大丈夫ですか」と聞こうとしたとき、オリビアさんは言った。
「その名前って……東西南北央の中で一番長い名前の王様じゃない!?ということは……」
「はい。その通りです。私はドタイフラ王国の娘でもあり、第一王女候補です」というとオリビアさんは驚いた顔をしながら言った。
「なんで、王様の娘が冒険者なんかになってるの?」
「それは……まぁ話過ぎましたね……で、彼についてですが……」
「彼について運命的な出会いとか言ってけどなんで運命的な出会いなの?」
「それはですね……彼を一目見たとき……一目ぼれしたからです。私がドタイフラにいたときは、毎日のようにお見合いがあって……毎回ピンと来なくて適当に話してお父様に適当に話していた」
「もしかして……逃げてきたのって……お見合いが嫌だったから?」
「それもあります。ですが、ほかに理由があります。それは後程・・・」
「ドタイフラいたときとは違う魅力を彼に感じたのですよ……」
「そうか……彼は実戦は強いのか?」と聞かれて私は前にあった思い出した。
「えぇ、とても強かったです。私この身で弱いものですから……」
「そうだよなぁ、娘だったっとは……そりゃ、覚える魔法の数も少ないわけだ」
「……魔法の種類が少ないのですか!?」
私はてっきり、多い分類に入ると人間だと思ったが、違ったらしい。驚いていると、オリビアはいった。
「そうだな。私の相方でも5属性の中級魔法なら使えるかな」
「そ、そんなに!?……ですが、あなたは相方のことを根から嫌っていたみたいですが?」
「そりゃね……あいつ、自信なくて全部私に任せるからめんどくさいんだよ」
「そうですか……まぁこの話はここで休憩して話しましょうか」と歩みを止めた。
止めた、横には目新しいものがあった。今まで、ずっと壁しかなかったのが急に椅子が置いてある休憩スペースが現れた。
休憩するのにはもってこいの場所だった。
私たちは、座りながらお互いの相方についてもっと話し合うのだった。
◇◇◇◇◇
僕は、後ろから聞こえる声に注意をしながら目の前のライオンを倒そうとしていた。
だが、後ろからの声がだんだん近くなりやがて後ろをちらっと見ると黒髪の小太りの男の人がいた。その人は、震えた声で言った。
「ひぃ……ら、ライオン!?なんでここに!?」と驚いているので、僕は声を張って言った。
「そんなこと言ってないで後方支援をお願い!」
「……えっ……わかった」
僕は、後ろから支援があると思いライオンと戦闘を始めた。
だが、戦っている最中全くと言っていいほど後方支援が来なかった。なぜだろうと後ろをちらっとみると彼は固まっていた。
「何やってんですか!?早くサポートしてください!」
「……いや……僕にはできないよ」
そういい、どうにか工夫をしてライオンを戦いきれた。
ライオンを倒し終わり、僕は小太りな男の人に詰め寄った。
「なんで、魔法打たなかったんですか!」
「……なんでって……いらないかなーと思って……」
「そうですか……実際僕苦戦してましたよね!?
そう言うと、彼は頷いた。僕は呆れながら言った。
「だったら、後方支援してくださいよ」というと彼は言った。
「自信がないんです!」
突然の大声にびっくりしながらも、反応した。
「自信?」
「そうです。自信がないんです僕には」
「そうか……自信か……」と僕が言葉をこぼした境に会話は途切れた。
僕は、ライオンの食べられそうな部位を解体しながら言った。
「僕の名前はレイン。君の名前は?」
「……僕の名前はマシュー」
「マシューかいい名前だね」
「いい名前?名前をほめてくれてたのは君が初めてだよ」
「そう。ありがと。で、なんでマシューは自信がないんだ?」
そう言うと、マシューは僕に背中を見せながら言った。
「……多分、自信がなくなったのは相方が原因かな」と昔をさかのぼるように話し始めた。
「僕は、昔冒険者の試練に受かったとき親と喜んだ。昔から夢だったんだ。だけどね……」と言いため息を吐くマシュー。
「だけど?」
「冒険者になって初めてのクエストで相方のオリビアという女性と組むことになったんだ。彼女は強くてね。僕何人分もの強さを持っていたんだ。だから、毎回クエストではオリビアが目の前の敵を倒してしまうんだ。だから、僕は毎回言われてたんだオリビアに……」
「なにを言われてたんだ?」
僕は、解体を止めてマシューの話に釘付けになっていた。
「『お前は役立たずの無能。だから、何もしなくていい』ってね……それを言われ続けて一年。僕はランクがなかなか上がらずオリビアだけが毎回評価は上がっていく……」
「ちなみに、マシューさんのランクは?」
「僕はCランクだよ。半年くらいはオリビアとやっていたんだけど……そのあとの半年は別々で行動をしていたから評価が違うんだ……」
「オリビアさんはB?」
「大正解。僕とは違って少し難易度の高いクエストに挑戦し続けていた彼女は僕より評価が上がったんだ。」
「そうですか……ちなみに、僕が剣士をやっている理由わかります?」
「……なんだろう……強いから?」
僕はくすっと笑った。マシューさんは面白い人だなと思いながら言った。
「全然違います。僕には魔法の適正がないから剣士を選んでいただけですよ」
すると、マシューは驚いた顔をして言った。
「魔法の適正がない!?それは珍しい人ですね……」
「では、マシューさん私はあなたにあこがれを持っているんですよ?」
「……どうして?」
「あなたには魔法が使えるから……」
僕は続けて言った。
「マシューさん。ビギナーの僕ですが、これからの探索一緒にやりませんか?」
僕は一礼をしながら言った。すると、マシューさんは慌てふためながら言った。
「……そ、そんな、僕と一緒に?いいけど役に立たないかもよ?」
「いいえ。魔法使いが役に立たないことなんてありませんから」
そういい、僕はマシューさんの手を取って前に進むのだった。
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