第四話 先輩

ご飯も食べ終わり、お風呂にも入り、体はぽかぽか。そして、お腹も満腹である。

宿に戻ると、忘れていたことがあった。

「……じゃぁ、僕床で寝るね」

「いやいや、私借りてる側だし、私が床で寝るよ」

「……いやだけどさ、僕のお母さんが昔、女の子を床で寝させるなってきつく言われてるんだよね~」


「どんなお母さんよ」と冷静に言われてしまったが、実際に小さい頃言われてことだ。


そのあとも、言い合いは続いたが、結局は僕が床で寝て、エマはベットで寝ることになった。


「おやすみー」と、エマが掛け布団を掛けながら言った。

「おやすみ」と優しく言うのだった。




翌朝。僕が先に起きて言いた。エマはぐっすりと目を瞑って寝ていた。僕は、女の子と一緒の部屋で寝たことないから緊張して寝れないんだろうなぁと思っていたが、思いのほか寝ることができた。


僕は静かに、荷物から水を出して一口飲んだ。朝の水は格別であり、喉が潤うから朝の水は好きだ。


そんなことを、思いながら飲んだ水を再び荷物の中に入れてると後ろのほうで物音が聞こえた。

音がする方向を向くと、そこには体を起こしたエマがいた。


エマは背伸びをしながら言った。

「レイン、おはよう」

「あぁ、おはよう。昨日はよく寝れた?」

「えぇ、おかげさまで、いつもふかふかのベットで寝ていて、このベットは少し硬いなって思ったけど、案外寝れたわ」と少し羨ましい発言をした。


「……で、ひとつ聞いていいかな?」

「何よ?」


僕は覚悟を決めて言った。

「さっきから、君のきているルームウェアワンピースの肩にかけているひもが落ちかけていて……大事なものが見えそうなのだが……」


僕は後半、目を瞑って言った。すると、物音が聞こえた数秒後にエマがった。


「……バカ……見たんでしょ?」

「まぁ……少し。だけど、これは自然に見えただけで……」


僕は怒られる覚悟で言った。だが、だんだんと足音が僕の目の前まで迫ってきた。僕は殴られるのかなと思ったが違った。


エマは、僕の手をどけて見えるようにして言った。


「……見える?今度からこうゆうことがあったら、あなたが直して」

「はぁ!?で、できるわけないじゃん。女の子の肌に触るなんて……」

「それでも、パートナー?まぁいいわ。次から言う前に直してちょうだい」


そういい、エマはベットを直しに行った。

なんだか、貴族令嬢の面影を感じるのだった。



僕らは、準備をして宿を出た。

ギルドに向かい、今日もクエストを受けようと受付嬢に向かっていると……

「ちょっと、君いいかい?」


目の前を歩いていた、男の人に声を掛けられた。僕は、断りずらかったのでしょうがなく言った。

「なんでしょうか?」というと、男の人は名乗った。

「俺の名前はクリス。そして、隣にいるのがパートナーのルビーだ」

「よろしく」とルビーさんはクリスさんに乗るように言った。

「……よろしくお願いします」というと、エマは僕の耳元で言った。


「……レイン?なんだかこの人たち怪しくない?」

「まぁ、様子見てみようよ」


そんな話を小声でしているとクリスさんは言った。

「隣の嬢ちゃん、今あやしっおもったね……」と落ち込みながら言った。すると、ルビーさんは背中を摩りながら言った。

「そうよね。クリス、怪しいもんね」と追撃を入れるように言った。


「あの、僕はレイン。そして、隣にいるのはエマです」と僕が言い終わるとエマは合わせるように言った。


「よ、よろ……しくおねがいします」


いつものエマとは違っていた。相手が、冒険者の先輩だろうからか。

エマが困り果てていると、ルビーさんはエマを連れて少し離れて席に座ってしまった。エマは、チラチラとこちらを見たが僕は助けることができなかった。


そして、取り残されたのは僕とクリスさん。クリスさんは少し微笑みながら言った。

「レイン?昨日お前夜にギルド来たよね?」

「はい……」


僕はもしかしてやってはいけないことをしてしまったのか……と思っているとレインは笑顔で言った。


「……お前すごいな!」と突然褒められて少し困惑してしまう。僕は照れながらも言った。

「……どこがすごいんですか……」

「いやいや、君何歳よ?」

「まぁ、16です」

「16!?……若いなぁ。なんでお前が大人でも苦戦するイノシシをあのエマと仕留めてきているんだ?」

「それは……」


返答に困ってしまった。ここで、父が元ギルマスなんです。とか言ったら面倒なことになりそうだし……と思っているとクリスは言った。

「で、提案なんだが。今日俺らと少しクエスト行ってくれない?」

「……突然ですね」

「あぁすまない。少し、俺とルビーだけじゃ心もとないんでな」

「それって……ルビーさんのこと信用してませんね?」

「まぁな。ここ数年組んできているがまぁ、仲良くはなっていない」

「そうですか。で、どんなクエストに行くんですか?」

「……えぇそれは……お前は冒険者ランクとかわかるか?」

「冒険者ランク?」


僕はオウムのように聞き返してしまった。すると、どこから現れたのかわからないアメリアさんが割合って言った。


「冒険者ランク……を説明していなかったねレイン君」というアメリアさんにクリスさんは驚いていた。

「……アメリアさん!?なんでここに!?」

「いやぁ、昨日説明し忘れたことがあってねレインに説明をしたくてね。それで、ちょうど君が冒険者ランクについて話していたから割入ったわけ」

「はぁ……そうですか」と少しため息を交えながらレインは

言った。


「で、冒険者ランクについてだが……簡単に言うと、冒険者の評価だ」

?」

「そう。。評価というものは冒険者の中で重要視される項目だ。この評価が上がれば上がるほど、クエストの報酬も上がるってことよ」

「クエストの報酬が上がる!?」


僕は思わず、噛みついてしまった。お金にはそこまで興味がなかったが、エマといることを考えると少し余分に持っていないといつエマがわがままを言うかわからない。


アメリアさんは、僕たちの周りを歩きながら言った。

「で、冒険者ランクは五段階に分けられる。Aランク。冒険者の中でも熟練の人しかなれない最上級のランク。Bランク。地道な努力を重ねればなれるエリートランク。Cランク。高難易度のクエストを受けず、軽いクエストをずっと受け続けるとなれるランク。まぁ、Cランクは薬草とか野菜など植物に詳しい人が多いイメージね。Dランク。このランクは一番下よりも一個上。冒険者を初めて半年くらいで上がれるランクね。このランクになると初心者とは言えない知識や動きを学び始めるランクでもある。そして、レインやエマがいる。ビギナーランク。誰も、始めたはこのランクから始まる。王道の道」


アメリアさんは言い終わると、少し深呼吸をしていた。話している間に、息継ぎをしていなかったからなぁ……と思っているとクリスは言った。


「で、わかったか?お前たちは多分ビギナーだろ?」と言われて僕は頷いてしまう。すると、驚いた顔をしてクリスは言った。


「なんで、お前はビギナーなのにイノシシを狩れるんだ……」


僕は黙って……やがて苦笑した。そして、いつの間にかこちらに戻ってきていた。

ルビさんは言った。

「で、私たちはそんな君たちとCランクのクエストに行きたいわけ」と言われるとアメリアさんは驚いた顔をして言うのだった。


「……あんたたちバカじゃないの!?」と。

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