第一章 冒険の始まり

第一話 冒険者ギルド

 まぁまぁな時間をかけて、冒険者ギルドに着いた。冒険者ギルドの周りには、先輩冒険者がたくさんいた。とりあえず、近くの宿屋で何日間か泊まることにした。


 僕は最低限の荷物で、ギルドに向かった。周りには、鎧や剣を鞘に入れている男の人や、女の人。少しだけあこがれてしまう部分があった。


 受付に向かい、冒険者の試験に合格した証を見せると、受付嬢は裏に案内してくれた。裏に向かうと、ギルマスの部屋があり僕はそこで説明を受けることになっていた。


 受付嬢に、ドアを開けられて一声言ってから入った。

 入ると、ほかの場所とは違い少しだけ豪華な装飾品が飾られていた。


「あの……レインですが……」というと、ギルマスらしき人は椅子から立ち上がって言った。

「あなたが、噂のレイン君ね?」


 僕は、思っていたギルマスとはかけ離れていた。僕の想像しているギルマスは……みんなのお手本となる人で……筋肉マッチョで……背の高い人……と思っていたが……


 現実は違った。

 今目の前にいるギルマスは、背は僕と同じくらいで……筋肉はなさそうな鎧を着た……女性………そして、おっぱいがでかい……おっぱいがでかい。これは大事なので、二回言いました。


 すると、おっぱいのでかいお姉さんは座るように促してきた。僕は、その通りに座った。

 説明が始まるのかと思ったが、まだ始まらなかった。なんでか、僕の対面に座り、資料を見ていた。すると、ドアが開き……

「遅れました!」と元気な声が聞こえた。


 声のしたほうを見ると、女の子がいた。誰だろうと思いながら見ていると……


「では、説明を始めます」とギルマスが声をかけた。女の子は、僕の隣に座った。


「私は、ギルドをまとめるギルマスという役目をしています。ギルマスのアメリアと言います。どうか、以後お見知りおきを」と言われて、僕と女の子は頷いた。


 ギルマスのアメリアさんは説明をつづけた。

「では、ギルドの施設について軽く説明を……まず、あなたたちが来たと思う大きな広い空間はロビーよ。そして、今いる部屋はギルマスと少数の人しか入れない、ギルマスの部屋よ」

 アメリアさんは一息おいてから言った。

「で、これからあなたたちに伝えておかなければいけないことがあるわ」と少し真剣な目つきをしながらこちらを見た。僕は固唾かたずを飲んで次の言葉を待った。


「……あなたはレインって言うのよね?」

「はい。僕の名前はレインですが……」


 アメリアさんは確認をするように聞いてきた。そして、隣の女の子にも聞いた。


「そして、隣にいるのはエマさんでいいのよね?」

 女の子は即答した。

「はい。私はエマです」

 すると、アメリアさんは手元の資料をめくりながら言った。

「あなた、一応貴族の令嬢よね?なんであなたが冒険者なんかになったの?」という質問に、少しエマは俯きながら答えた。


「それは……もうあんな家族いらないからです」と場の空気は重くなった。場の空気を換えようとアメリアさんが言った。

「いらないって……必要な人たちじゃないの?」と聞くと、エマは少し怒りを交えながら言った。

「……できるのです……」

「ん?なんて?」

「自分でできるのに……!家事や身近なことをやらせてくれないからです!」


 驚きの理由に、僕とアメリアさんは少し呆れてしまう。だが、アメリアさんはエマの頭をなでながら言った。


「ですがね、あなたはいらないと思っても相手はいるんですよ。でも、あなたは冒険者をやるのですか?」という質問にエマは自信満々に答えた。」


「もちろんです!」


 アメリアさんは少し困惑しながらも説明をつづけた。

「それで、冒険者っていうのは絶対一人では組まないの……レイン?なんでかわかる?」


 突然振られたふりに、戸惑いながらもお父さんの言っていたことを思い出す。

「……一人だと、けがをした時の対応が困難だから」

 アメリアさんは笑顔で言った。

「大正解!さすが、前ギルマスの息子ね」と、昔のことを掘り返されてしまった。


 僕は、少し恥ずかしがりながらも話を聞き続けた。

「でね、はじめはギルドから指名の二人をここに連れてきて説明をさせて、その二人ではじめは組ませて冒険者として送り出すのよ」という説明が終わるとともに、僕はエマのほうを見た。


 すると、エマもこちらを見ていて目が合い見まず過ぎて目をそらした。

 アメリアさんは僕たちの光景を見て言った。


「あらあら・そうゆうお年頃かしら?」と言われて僕は言った。

「「そんなことありません!!」


 意図していないことが起きた。偶然、エマと声が重なってしまった。しかも、言っていることが一言一句一緒。


 沈黙が場を包み込んだ。

 すると、アメリアさんは笑顔で言った。


「あなたたち、なんだかんだ言って仲いいじゃない……良かった~」と少しホッとしていた。アメリアさんは立ち上がり言った。


「もう、私の説明ないから……今回だけ特別だけど……ここで顔合わせしていいよ?」と言い部屋を出ていくかと思ったが……


「これじゃぁ……やりずらいよね?」と言い僕の体を軽々持ち上げてエマの対面に座らせた。

 アメリアさんは出て言った。

 気まずい空気が部屋中に伝染していく……


 話を切り出したのは、エマの方だった。

「あなた、名前レインっていうのね」

「はい。あなたの名前はエマっていうんだね……なんだかかわいいらしい」というとエマは少し顔を赤くしていった。


「か、かわいい!?そんな言葉言っても、何も出ないんだからね!」

「あっ、そんなつもりで言ってないけど……」と僕は場違いな発言をしてしまった。


「あなたは、職業ジョブ何なの?」と聞かれて、少し困惑しながらも言った。

「剣士……」というと、エマはそれに対して返事をするかのように言った。


「私は、魔法つかい……魔法なら大体使えるわ」

「大体って?どこまで?」


「……初級と回復……」ともじもじしながら言った。

「すごい!僕なんか、魔法使いの適正なさ過ぎてあきらめたもん!魔法使えるだけで僕は尊敬しちゃうなぁ~」と心の声を駄々洩れで言うとエマは言った。


「そ、尊敬!?……そうね……私くらいになれば……尊敬の一つや二つ……」と偉そうに言うので、僕はエマが弱そうな言葉を言った。


「エマはかわいいから……かわいいところも尊敬しちゃうなぁ~」とすました顔で言うと……エマは真っ赤な顔で顔を隠しながら言った。


「……そんなに言わないでぇ……恥ずかしさが勝っちゃう……」と言っていたので僕は立ち上がつて言った。


「そうだね……これから頑張っていこう!エマ!」と突然言うと、エマは手をどけて言った。


「そうね……あとかわいい禁止ね?」

「えぇ~いつだったら言っていいの」

「だから禁止!って言ってるけど……まぁクエストクリアしたときとかは……言ってくれると……うれしいかも」と腕を組みながら言った。


 なぜ、クリアした時なのだろうかと思ったが、僕はそれに頷いた。

 すると、アメリアさんが入ってきて言った。

「では、顔合わせもしたところで……早速簡単なクエストを受注してもらおうか」と言われて僕とエマは頷いて反応するのだった。


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