異世界冒険者の旅
秋伯(しゅうはく)
プロローグ レインの冒険
僕は起きた。朝起きると、
旭光でいつも起きる。今日はいつもの朝ではない。
冒険者の試験に合格した翌日の朝だ。そして、今日から冒険者ギルドの立ち入りが可能となった。僕は、背伸びをしながらベットから降りた。そして、部屋の窓を開けて朝の冷たく目が覚めるひんやりとした空気で僕の目は覚めた。
数分間、僕は目を
「レイン君!」
僕は少し、頭を起こしながら考えて話した。
「どうしたの?アリアさん」
すると、アリアおばちゃんは指をさして言った。
「あのね、うちの畑に抜けない野菜があったのよ~ この辺で若くて力がありそうなのレイン君しかいないでしょ?」
僕は少し戸惑いながらも頷いた。すると、アリアおばちゃんは勝手に話を進めて……
「じゃぁ、待ってるから。お願いね」
そういいアリアおばちゃんは去っていった。僕は、少しだけため息を吐いてしまったが、気持ちを気持ちを切り替えて一回に降りた。
一回に降りると、お父さんと座っていてお母さんは朝ごはんの準備中だった。
「おはよう~」と僕が少し眠そうに言うと、お父さんとお母さんは少しずれて言った。
「おはよう」と先にお父さんが言った。
「おはようレイン」
親で、挨拶の仕方も違うなんて……と少し思いながらお父さんの隣に座った。
お父さんは僕のほうを見て言った。
「ついに、レインが冒険者か……」と感傷に浸りながら言った。僕が、少し困惑していると、お母さんは目の前に朝ごはんを出しながら言った。
「お父さん?もうレインも16歳なのよ?それくらい普通じゃない」と冷たい反応をお父さんに送るお母さん。
お父さんは、心に来たのか数分間何も言わなかった。
その間に、僕とお母さんは先にご飯を食べ始めた。
お母さんは、食べながら言った。
「レイン?けがはしちゃだめよ?回復魔法があるからって無茶しても体は治るけど、精神的には治らないんだから……」
「その話、何回目?お母さんわかってるよ」
「あら、そうだってかしら?まぁ大事なことだから何度言ってもいいからねぇ」
すると、いつの間にか復活していたお父さんが僕の腕を掴みながら言った。
「そうだぞ!レイン……ケガだけは……ダメだぞ?」
「お父さん、そんなウルウルした目で言われても気持ち悪いだけだよ」というとお父さんは首がガクッと曲がり……
その様子を見ていたお母さんが、目に見えない速さでお父さんの首を支えて言った。
「レイン?言い過ぎ!こんなお父さんでもいいとこあるんだから」
「例えば?」
聞くと、お母さんは数分間考えて言った。
「……顔?」
すると、お父さんは椅子から崩れ落ちた。お母さんはお父さんを肩に担ぎながら言った。
「レイン、私お父さんの治療してくるから……先食べてて!……あと、冒険者ギルドは朝9時からだから~」
そう言い残し、お母さんはお父さんの部屋に閉じこもった。
ただ今の時間は朝5時……
時計を見ていると、大事なことを思い出した。それは、アリアおばあちゃんのお手伝いがあることに……
僕は、少し焦りながら家を出てアリアおばちゃんの家があるところに向かうのだった。
家を出て数分間小走りで移動した。移動して、アリアおばあちゃんの呼び鈴を鳴らした。すると、中から、アリアさんが出てきて言った。
「あら、来るのが遅かったわね」
「すみません……」
僕は、お辞儀をして謝った。すると、アリアおばあちゃんは笑顔で言った。
「冗談よ、頼んでるのに怒ってる態度なんて取れないわ」
アリアおばあちゃんは笑ったが、僕は全開で笑えなかった。愛想笑い程度であった。
アリアさんは畑まで案内してくれて、僕はそのあとをくっついていく。
すると、色とりどりな野菜が目の前にはなっていた。アリアおばあちゃんは言った。
「レイン君?もしかして、野菜に興味あるの?」と聞かれて僕は答えた。
「えぇ……まぁ、こんなに野菜って種類あるんだなぁと思っただけです」
すると、アリアおばあちゃんは少し近づいて言った。
「わかる!?最近、野菜育て始めたんだけどさ、できるのが早いものが多いのよ……だから、作るより消費が追いつかないってね」
そういい、アリアおばあちゃんは自分の話で爆笑した。そんなに、面白くない話だったが、僕は相槌を打ちながら話を聞きつづけた。
ー1時間後ー
僕は、立ち話を1時間させられている。まだ、1時間ととらえるしかない……お母さんから聞いた話だが、お母さんは3時間ほど立ち話をさせられたらしい……
お年寄り……怖い……と思っていると、アリアおばあちゃんは手をぱちんとたたいて言った。
「ごめんね~私のつまらない話してしまって……」
「いえいえ、面白かったですよ」とお世辞を言った。
そして、問題の野菜というのがやっとこの目で見れることになった。立ち話をしていた場所から数秒の場所。頑張れば目に入ったともいえる場所だった
そこにあったのは、太い人参だった。
僕は、太い人参をいとも簡単に抜き、アリアおばあちゃんの家から家に帰ろうとしていると……
「レイン君?」
僕の名前を言う声が後ろから聞こえてきた。振り返ると笑顔で手を振っているアリアおばあちゃんがいた。僕は、思った。アリアおばあちゃんは昔美人だったんだろうなぁと。
家に帰ると、食器を洗っている音が聞こえた。僕は、もうお父さんは大丈夫なのかな?と思いながらリビングに向かった。
すると、そこにいたのはお母さんだった。すると、お嗚さんは言った。
「もう向かわないと開く時間に間に合わないわよ?」
「大丈夫ですよ。僕案外計算できるんで」というと、お母さんは笑った。
僕は、何か変なことを言っただろうか……と思っていると……
「準備してきなさい。ゆっくりと」
お母さんはどこか僕のことを馬鹿にしており、なんだか納得はできなかったが、自分の部屋に行って荷物をまとめるのだった。
部屋でだらだらとしていると、いつの間にか時間がぎりぎりであった。僕は焦りながら一回に降りた。すると、お母さんが少しクスっと笑って言った。
「もう行くの?」
「うん。早くいかないと時間に間に合わない」
「そう……これからは家に帰って来ない?」と聞かれて僕は少し考えて言った。
「いや、帰ってくる。年に数回は」
お母さんは、どこかホッとした顔を見せながら笑顔で送り出してくれた。
「いってらっしゃい」
僕が「いってきます」と言おうとすると、大号泣したお父さんが出てきて少し笑ってしまったが……改めて言った。
「行ってまいります!お母さん、お父さん!」
僕は、何度も後ろを振り返り故郷の土地を離れる心細さがあったが……
お父さんと、お母さんの期待を背負って……
僕は、前を向いてギルドに向けて歩くのだった。
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