2.テラ連邦における戦闘艇(その1)
2.テラ連邦における戦闘艇
1.CFB-01「ワーデン」
テラ連邦初の艦載戦闘艇「ワーデン」は木の葉型の艇体、艇首にレールガン、艇尾に推進器を備えていた。断面は円柱状の艇体中央部から左右の舷側へむかってなだらかに成形されており舷側部の厚みは中央部の2分の1となっていた。
対艦ミサイルは胴体中央部の左右上下に半埋め込みの形で搭載され、艇首にレールガンが装備された。
680建艦計画で建造されたネルソン級戦艦には1個中隊16艇+予備4艇の計20艇が搭載され、ジャカルタ級重巡航艦には1個小隊4艇+予備1艇の計五艇が搭載されていた。
採用後、推進器、反応炉、シンカーのアップデート、コックピットカプセルの強靱化、センサーの増強などを経ながら25年間に渡って量産が続けられた。初期型のCFB-01Aから最終量産型のCFB-01Mまで、艇体の寸度、武装搭載数には変更はない。
重巡航艦に搭載された「ワーデン」は犯罪組織の艦艇の摘発にも投入されたため、低威力弾頭も引き続き運用された。
それもあって、最終的な生産数は31万5000艇あまりに及んだ。
「ワーデン」は艦載戦闘艇の地位を後継の「ガーディアン」に譲った後は連邦保安省警備隊や星系国家の領宙警備隊などに払い下げられ、通商保護や犯罪組織摘発に長く用いられた。
CFB-01 要目
全長:193メートル、全幅:64メートル、全高:33メートル。武装:対艦ミサイルまたは対艦ミサイル迎撃用榴散弾弾頭ミサイル:4基、7.7ミリ口径レールガン1門。連続活動時間:5.5時間。乗員:1名。
2.CFB-03「ガーディアン」
改良を繰り返したCFB-01もM型をもって改良を打ち切ることが決まった。これは760建艦計画においてネルソン級戦艦に代わる新型戦艦カエサル級の建造が決まり、重巡航艦もジャカルタ級を強化したアル・コバール級に更新されることになったためだ。これに伴い、艦載戦闘艇も更新が決定し、提案依頼が行われた。数社から提案があり、シミュレーション空間での競争試作を経て、フィンカンティエリスペーステクノロジーズ社から提案された案が採用となった。
主艇体は大まかに言うと面取りをした四角柱となり、後部にミサイルラックを兼ねたバルジが設けられた。
初期型のCFB-03Aではミサイルはバルジの上下面に各2基、計8基が搭載され、火力は大きく向上した。レールガンは艇首下舷に「ワーデン」と同じく7.7ミリ口径のレールガンが搭載された。
「ガーディアン」は用兵側には概ね好評だったが、繰り返された演習やシミュレーションで問題が顕在化した。ミサイルを撃ち尽くしたあとの火力の不足だ。用兵側から可及的速やかな改善が求められた。これは連続活動時間が伸びたことにより発生した問題だった。レールガンの搭載弾数の増強なども行われたが、用兵側からは粒子砲搭載の要望が強かった。
反応炉、推進器が強化されたCFB-03Dから粒子砲が搭載された。艇体の寸度、反応炉の出力限界から搭載された粒子砲は37センチ口径で発射速度も早くない点が懸念されたが戦術の幅が広がることは間違いなく用兵側からは歓迎され、配備済みのA型も順次D型に改修された。
カエサル級戦艦、アル・コバール級重巡航艦への配備と平行し、既存のネルソン級戦艦、ジャカルタ級重巡航艦への配備も進められた。ネルソン級、ジャカルタ級への配備は定期メンテナンスに伴うドック入りの際の艦載艇格納庫改修と搭乗員の機種転換訓練を経て行われた。
汎人類戦争開戦時にはネルソン級への配備も完了しており、開戦時に連合の攻撃の矢面に立った連邦国境警備艦隊唯一の戦艦戦隊を構成した「ペリュー」「ロイター」など4艦にもD型が搭載されていたことが記録に残っている。
「ガーディアン」はその後も改修を受けながら生産され、停戦時はCFB-03Jが生産されていた。
停戦後も生産は続き、最終生産型であるCFB-03Nまでの総生産数は122万2000艇に及んだ。
CFB-03D 要目
全長:198メートル、全幅:49メートル、全高:40メートル。武装:対艦ミサイルまたは対艦ミサイル迎撃用榴散弾弾頭ミサイル:8基、7.7ミリ口径レールガン1門、37センチ口径粒子砲1門。連続活動時間:8時間。乗員:1名。
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