メイキュウカイダン

からあげホイホイ

 怪談  蘇生の呪いと祟り神。

皆様、ご機嫌よう。そしてはじめまして。

私、悪夢観光所案内人の“GOAT”と申します。

以後、お見知りおきを。

さて、とある街の一軒家で子供達がお泊まり会をしている様ですね。

早速、1つ目の素敵な悪夢をご覧に入れましょう。

何やら楽しそうな声がするのでそっと覗いてみましょうか。


✁┈┈┈┈┈✃┈┈┈┈┈┈✁┈┈┈┈┈✃┈┈┈┈


『アハハハ、何それ面白いんだけどwwぷぷっ』


「wwwウケルwwーーあ。そうだ。なぁ、そろそろ“アレ”やらね?」


『さんせーい!』


「外も暗くなって大人も寝たみてーだしよ!」


〈順番はどうする?僕最後がいい!とっておきがあるんだー!〉


『えー、ウチは自信ないから2番目にする!』


「じゃあ俺様からだな!」


〈決まりだね♪〉


「今回は自信あるぜ!なんせジーちゃんに教えてもらったんだからな!一言も聞き逃すなよ。

それじゃ始めるぞ。」


トップバッターの少年は蝋燭に火をつけ、語り始めた。


       ボソク

 彼女の名前は牡燭。彼女はとある集落に住んでいた。

彼女には他に名前があるらしいが誰もその名で呼ばない。理由は、本名を呼ぶと災が起こる。と噂されているからだ。年は多分13、4歳。歳の割に背は小さい。銀髪に緑の瞳をしている。

彼女は目た見以外にも周りの人と違うところがあった。彼女は、


        ❝死神体質❞


 なのである。

これは色々あった内の一つに過ぎないが、彼女と一緒に居た人に触れた途端、突然病気で死んでしまったり、村の皆で遊んでいるとモンスターに襲われて死んだり。

そんな事が度々あるらしい。

しかも奇妙な事に、牡燭と関わって死んだ者はしばらくすると蘇生する。

何故住民がそんなに怖がるのか僕には理解できないが、村の住民は彼女をとても恐れているようだった。

彼女は毎日、毎日この体質をどうしたらいいか考えていた。どうしたら巻き込んだ人を楽にできるのか?

考えたことを実行してみても結局は同じ事の繰り返し。

もう、仲の良かった友達も、もう死にたくない!と言って何処か遠くへ引っ越してしまった。

そんな事をしているうちにイリーはすっかり血にまみれてていた。


「なんで?なんで皆私が歩いただけですぐに死んじゃうの?なんで皆逃げようとするの?」


彼女はとても悩んだ。ずっと原因を考えていた。彼女は霧の中を彷徨い続けた。


   死なない、消えない親友を探して。


 やがて月日がたち、彼女は孤独を極めていた。彼女の可憐な顔からは笑顔が消え去り、目は死んでいた。前よりもいっそう暗い空気をまとっていた。


結局、答えは見つからなかったらしい。


そんな時、彼女は『僕』と出会った。

他所の知らない国から来た僕と彼女はよく似た者同士だったからよく話すようになった。

そう、僕もほんの少し❝死神体質❞を持っているのだ。まあ、僕のは近くの虫や草花が死ぬくらいのなんだけど。勿論、蘇らない。でも大好きな花が死ぬのは悲しい…

お互いにいつの間にか隣にいて答えのない悩みや疑問を打ち明けていた。僕と話している時の彼女は少しだけ顔に笑みが浮かんでいるような気がした。どういう笑みなのかは分からないが、彼女が少しでも笑ってくれるのならどんな意味でもいい。僕はそう思った。

ある日、彼女は僕のことを『君はいい相談相手だね。』と言ってくれた。そう言われたことがとても嬉しかった。


でも本当は僕は彼女に友達だと言われたかった。

多分、その時僕は彼女に恋をしていたんだ。

〚今ではどうかしていたと思うけれど。〛

僕は彼女に「好きだよ」って言われたかったんだと思う。


 でも、いきなりその気持ちを彼女にぶつけてはいけない。もっと彼女との関係を深めよう。

そう堅く決意した。

そして彼女とも頻繁に会う用になった。


—-✄———-✄———-✄—-✄—-✄—―-✄―✄−

ある日、突然彼女から

「君は私の大事な友達だよ。」

と言われた。

突然のことに驚いたが、嬉しかった。

ついに、ついに言ってくれたのだ。君は友達だ、と。死なない友だと。

「僕もだよ。牡燭。君はこの世で1番大事な友達だよ」

そう返すと彼女は嬉しいけれど困ったような笑みを浮かべていた。

彼女のために頑張った甲斐があった。そう思えた。



しかし、それが彼女と会った最後の日になってしまった。

そう、彼女は忽然と姿を消したのだった。

村中探し回ったが何処にもいない…

思いきって集落の人々に彼女について聞いてみたが誰も答えようとはしなかった。

只、皆口を揃えてこう言うのだ。



「ついに彼女は自分の呪いに食われた。彼女が居ないのはいいことなんだ。この上なく素晴らしい事だよ」



それでも粘り強く彼女のことを聞いたが無駄だった……

『そんなに気になるのかい?彼女が居ないのはいいことだよ。気にしなさんな。旅の坊っちゃん。そんなことよりこれをお飲み。疲れているだろう?気が楽になるよ。』


ああ、違う!そうじゃない! 

っ!別の人を!


『ん?ボソクだって?いいかい、旅の坊や。

 あいつが居ないのはいい事なんだよ。あやつはこの村にとって災なんだ。だから探さない方がいい。いつか呪い殺されちまうぞ。

あぁ、そんなに慌てんな。ほれ、これでも食って落ち着きな。』


渋々食べながら僕は彼女が自分のことを

「私は皆の負の感情の掃き溜め口。決して近づいてはいけない。そういわれてるの。

私はここに存在するのをあの御方に許される代わりに自分やその周りにいる人間に不幸な死が訪れる呪いををかけれられている。」

「だから皆、私に近づかない。」

と言っていたことを思い出した。


彼女は一体何者なんだ?まさか村人達に消された?あの御方って誰?


彼女は、かのじょは、…………あれ?頭の中がふわふわしてきた…呂律が回らない。????彼女?かのじょってだれ?もう全てがどうデモイイ…………全部、ぜんぶが………………



ガシャン!


「あぁ゙っ!がぁぅ゙うっ!」



なんで?僕、死ぬの…?


ドサッ。



食器の割れる音が響き、『僕』は倒れた。



その時何もかも全てがどうでも良くなっていたはずの『僕』は顔に大粒の涙を浮かべていたそうだ。

その悲しみと憎しみのこもった涙は地面に染み込み、集落全体に呪いをかけた。


〝あぁ不幸だ!不幸!さらにこの土地を不幸にしてやろう!

二度と幸福がおとずれることが無いように!〟


程なくして『僕』は村人達に毒を盛られて、死んだ。

記憶をなくし、光を失い、祟り神になりかわった少年は今でもその地を呪っている。

                  終わり.


っていう話だ。

あと、ジーちゃんが

この話をする時は絶対にこれを持っていろ。この紙は御守りだ。絶対に話をしている間は手から離しちゃいかん。

て言って紙を渡されたんだ。ほらこれ。





《忠҉͎͔͉̪̪̠̪͎͕͚͚͖̜͍̫͍̲͔͑̄̆́̌̍̽͊̋̋͂̋̎͐̓告̴̤̗̝̟̪͕̲̣̫͙̤̤̜̠͕̘͕̘̿̾͂̀̓̍͑͗̃̌̀̓͛̈̅̒̇͌͊̑̔̓̚》ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

 

 こ҉͙͍̗̬͍̖̦͙̤̳̩͒̓́͑͊̿̎͑͊̂̇̓̂̃̿̚ͅの̴̩͚̭̗̪͂͐͒̏̐̐̉̿͐̌̌集̶͈̭͇̭̥̘̥̩̳̣̠͕̯̒̅͒̊́̄落̵͙͈̦̗̩̇̀͌͑̉̌̄̋͌に̸̙̟̫̯̙̰̗͓̞͔͍̗͓̤̀̎̔͊͂͂̅̅͋̋̈̔つ҈̩̣̭̫͍̞͈͔̯͖͕͎̇̅̑̄̇͐̐̔̑́̈̆̍͒̏い̵̮̙̲͓͓̊͆͑͗̇͐́̓̽̉て̴̲̖͔̭̞̬͇̪̩̙͈̮͋̓͌̏̆́́͑́̀̒̈̑́̅知̴͉̲͔̣̓̀̒͑͆͒̔̚っ҈͈͔͕̤̠̰̙̋̽͒͐̈́̓̄̏̓̍͐͌̚た҈͇͉̫̭̗̳̠͚̙̑̊̑͌̄̒̔͐̂̒̀̎̓́͒も҈̬̝̘̲̳͍̲̦̭͆͆̀̉̋͒͆͗͒̅ͅの̴͎̲͎̜͎͕̘͇͌̉̎̾̐̀͗̀͗̉̂は҉̫̣̞̳̩̝̭̦̥̬̞̯̳̬̱͕̑̉͑̅̒̐̎͒̍̒̌永҈̮̤͍̬̖̞̈́̅͛͐͂̒͐̆͒ͅ遠҈̠͎͖͈̣̣̗̰̭̞̗̀̔́̈́̃̽̔͑̏に̵͚̳̠͎̞͕̮̟̫͔͉͙̔̇͊̄̓̀̀ͅ呪҈̲̣̗̞̞̜̲̣̘̙͍͈̲̲̪̇̇̈̈́̇̃̍̃̐わ̶͇̲̯̬͈̗̝͎̙̱̣͙̙̎̍̓̏͑̓͊̅̒̓̓̇̀̿れ҉͚̳͕̠̝̞̠͖͌̊͌̐̾̐̃̆̇̌る̸̳̰̞͙̏̌͊̆͆̊͌̿̓͆̓͛͋ͅ気̴̖͈̮̫̤͖̫̫̘̘͓̭̙̘͚̠̆̂́̎͗̿͂́͐͂͂̋̔̍を̴̱͉̜̬͇͓̟̯̀̂͐̏͒̐͂́̀͊́͛̈́́̒つ҉̞͖̱̰̘̟͉͉̤̝̣̦͖͇̞̿̉̀͊̇̃̇͒̍̽̄̄け̶̱͓̠̳̜̖̙̱̿͗͑͛る҈̙͍̞̞͔̫̪͙̠̱̜̬͎͕̯͔̒͊͌͐̊͛͗̍̃̂̌͗͂こ̷͔̪̰̠̯̠͕̘͖̬̣̞̞̦̄̎̿̈́̒̒̂̔̑̇̓̇̋̂̌̓ͅと̷̲̭͎͈͔̩̮̟͍̘̬̇͊̐̇̌̆͛́̋̑̐̔だ̷̮̱͓͈̙̮̗̳̬̰̜̪̠̟̙͂̽́͊͂̽̚な̸̬͎̠͎̰̠͕̯̘̬̩̮͙̟̳̾̌̿̓͆̾̀́̔͌̓̋̈̑ͅ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー−−−−−−−−−−−−−《警҈̮̩̭͈̤̙͙̦̜̓̌́͐̀̾̚告̴̜̱̮͙̘̭̳͇͔̝̝͊͋́͌̀》



「どうだ!!怖ぇーだろw」


 『何それ〜ʬ全っ然!怖くないじゃん!!もっとグロいのとか出てくると思ったのにぃ〜』


「はぁ!?んだよ、お前がお泊まり会で怪談ゲームしたいって言うからせっかく俺様が用意してやったのに!!!!」


〈いや、十分怖いよこの紙…………文字が何かで隠れてるし、触ると寒気がする。〉


「お、!お前は分かってくれるのか!嬉しいぞ!俺。でもお前が怖いのは紙だけなんだな…」


〈あはは…ねぇ、次の話を聞きたくなってきた。 早く聞かせてよ!〉


「そうだな。怖くないって言ってたから俺様よりも怖い話を持ってきたんだろ??」


『モッチの論よ!2人共ウチの話にチビらないでよね!

?……2人共、こっち凝視してどうしたのよ?まさかもうチビって動けなくなってんの?』


「「ち、ち違うんだ!お前のう、う、後に……‼」」


『後?…何いってrッ!!』






『ん゙ん゙ん゙んぐん゙ん゙ん゙ーーーーーー!!!!!!』







さあ、お客様。覗いてみてどうでしたか?

物好きなお客様のご要望にお答えするには一晩では少々時間が足りなく、最後までご覧に入れる事が出来ないのです。申し訳ありません。

その分、とっておきを用意させて頂きましたので気を害される事はありません。

そして、この後起きたことは貴方のステキな発想力にお任せします。

只、その時にはーーー耳を済ませながら考えて頂きだいものです。


     




       聞こえて来ませんか?


             《サケビ》

      子供達の元気な 声 が。


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メイキュウカイダン からあげホイホイ @utakataNOkoubou

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