第26話 ギャル再び②
「はいはいはーい、それじゃ報告するっすよー!」
レイは手を挙げ、自分に注目するよう
「えーっと、今回の依頼は不倫の証拠をつかむこと。依頼者は35歳女性で、その旦那さんが50歳。歳の差婚ってやつっすねー。不倫相手はまさかの21歳! さらに若い女性だったんでびっくりでしたよ! そんで昨日一日旦那さんと不倫相手を尾行して、ラブホ入ってくところをこの目で見ました!」
「早すぎて追いつけません……!」
「あ、うーんとね、どこまで
「宗ちゃんさんに幽霊を押し付けた、とだけ」
春樹の言葉に宗介は「え、」と一瞬固まったあと、
「全然説明してくれてないじゃん……レイが手に負えないから面倒みてって茉鈴から頼まれてね。そしたらレイが探偵の仕事に興味を示してくれて。うちはそこまでスタッフも多くないし、幽霊は尾行にも最適だしってことで、仕事を手伝ってもらってるんだよ。それで今回の依頼が不倫調査だったって感じかな」
「なるほど……理解しました! どうぞ、続けてください!」
春樹が手で続きを
「どこまで話したっけ……あ、ラブホまでっすね! そーすけには目撃してくれたら良いって言われたっすけど、ちょーっと興味があって、部屋までついてっちゃいました!」
てへっと舌を出すレイに、宗介はまたも「え、」と固まり、麦茶を飲もうとしていた手を止める。
「いやー、すごかったんですよ、プレイが! なんかSM部屋みたいのがあって、二人がそこに入って行って……」
「ちょ、ちょっと待って、レイ! それ以上の報告はしなくて良いよ!」
ハッと我に返った宗介が
宗介はコホンと咳ばらいをし、話題を急いで変える。
「あー、うん。じゃあこの話はおしまい! 春樹くんたちはなにか聞きたいこととかある?」
そんな彼の問いに、春樹は数秒考えるとなにか思いついたのか手を打った。
「幽霊が視えるってことは、疫病神も視えますか?」
「うん、もちろん」
「じゃあ、疫病神さん見てみたいです、
そう言って身を乗り出すと、ちょっと不機嫌そうな疫病神が佐伯の体から出てきた。
「オレは見世物じゃないぞ」
「おおー! 二人の言ってた通り、長髪イケメンさんだ! かっこいい!」
先ほどまで顔をしかめていたヤクだったが、純粋
意外とチョロい神様なんだな、と秋斗は苦笑した。
「ふふん、そうだろうそうだろう。茉鈴が読んでいた漫画を参考にしたからな!」
胸を張って得意げに話すヤク。探偵に幽霊に疫病神、なかなかカオスな空間になった。
春樹は残っていた麦茶をぐびっと飲み干し、再び宗介に
「宗ちゃんさんは、ヤクさんのことをいつ知ったんですか?」
「茉鈴が小四、あれ? 小三のときだったかな……急に
宗介が視線を上に向け、当時を思い出していると、ソファにふんぞり返る佐伯は目を細めた。
「いやいやいや、噓つかないでよ。宗ちゃん心配というよりちょっと楽しそうだったよ」
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