第四章 探偵事務所
第22話 探偵の叔父①
オカルト研究サークルからの依頼をこなした日、
『なんで幽霊が私の家についてきてるんだ!』
送り
それに対し春樹は『楽しそうで良いですね!』などと
——翌日、待望の初学食を経験した日から早一週間、秋斗、春樹、希の三人は昼休みに探偵アジトを訪れた。
秋斗が「お邪魔します」と静かに中に入ると、佐伯は机に突っ伏していた。そばに立つ少女の霊は心配そうな顔で、佐伯の背中をなでている。人間と幽霊なので、もちろん触れることは叶わないが。
「佐伯さん、こんにちは~」
能天気な春樹の挨拶に、佐伯は
「
「はえ!? な、なんですか! 俺なにかしましたっけ」
なかなかドスの
「君には思い当たることがなにもないのか……? そういう鈍感なところが余計ムカつくー!」
だいぶ機嫌が悪い我らが探偵サークルの会長は、
「まあまあ佐伯さん、一旦落ち着きましょう」
希はそう言って、手に持っていたビニール袋から、ここへ来る前にコンビニで買ってきたスイーツを取り出した。
プリン、エクレア、モンブラン、シュークリーム、スイートポテト。並べられたコンビニスイーツを前にした佐伯は、「ん!」と目を見開き、勢いよく体を起こした。
この探偵は結構な大食いで、特にスイーツの
なんでそんなにいっぱい買うんだ? と秋斗はコンビニで疑問に思っていたが、希は彼女の性質を知った上で、ちゃんと対策を考えていたということである。
なんだか餌付けしているみたいだ。
佐伯の機嫌がスイーツによって多少治ったところで、春樹もコンビニで買ってきたアイスを
「佐伯さんの
「んあ? あー、大学の最寄り駅から二駅のところだぞ」
「へぇー! 行きたいです!」
キラキラとした瞳で
「――今週の土曜日に来て良いってさ」
どうやら叔父と連絡をとっていたみたいだ。
ぺろりとプリンを平らげた佐伯は、次にシュークリームを手に取った。かぶりつくと、中の生クリームが
*
そんなこんなで探偵事務所に行くことが決まった探偵サークルの面々。探偵アジトをあとにした秋斗は、そこで「あれ」となにか忘れていることに気づく。
結局、ギャルの幽霊はどうしたんだ?
佐伯の話によると、トイレにもお風呂にも大学にも買い物にも、どこへ行くにもついてくると
うーん、謎だ。今度聞いてみるか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます