第三章 新たな依頼
第15話 いいじゃん入ろうよ!
「どういうことですか」
「どうもこうも、ただのサークル勧誘だが?」
口の端をあげる
「楽しそう! いいじゃん入ろうよ!」
秋斗と
佐伯の秘密についても聞いてしまったし、これからなにかしら巻き込まれるとは思っていたが、サークルに入るのは想定外だった。
でもここで春樹だけ入会させるのは、今後が心配すぎる。秋斗はアイコンタクトだけで希と意思疎通を
「よし、
にやにやしながら問いかけてくる探偵を、秋斗は
「……わかりましたよ」
秋斗の言葉に佐伯はフッと鼻を鳴らし、希に視線を向けた。希は観念したようにうなずく。
「決まりだな。んじゃこれ」
そう言って手渡された紙切れには、
「三人の予定が合う日がわかり
楽しそうに笑う彼女を尻目に、三人は
「一限から必修は最悪だな。希、行くぞ」
秋斗は彼女の肩をパシッと叩いた。教授が遅れて来ることを祈っておこう。
「倉田さん、頑張ろ〜」
準備万端な春樹は希の手首をつかみ、そのまま走り出す。暑いと
春から夏に変わろうとしている生温かい風が秋斗の背中を押す。地面を
*
昼休みに三人のスケジュールを確認し、予定を合わせた。佐伯に言われた通り、電話をかける。
「朝か昼休みだったらいつでも大丈夫です」
「そうか、なら丁度いい。明後日、たちばな喫茶というところに8時集合だ」
早速集合がかかった。
たちばな喫茶は大学から歩いて10分くらいのところにある喫茶店だそうだ。なんとも、佐伯の
早起きしなきゃな、と秋斗はスマホのアラームを変更する。
でも、わざわざ喫茶店を指定してきたのはなんでだろう。この前の話の続きか、今後のサークル活動についてか。いつもの探偵アジトでいい気がするが。
なんにせよ、非日常が訪れようとしていることは確かだった。
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