第13話 またお化けの話?③
床に座っているのが疲れたのか、
「この
「病気の神様? 変なのー」
「で、この疫病神が茉鈴を病気にしてるんじゃないかなって、僕は予想してる」
「え!」
目をまん丸にして驚く茉鈴。まさか神様が原因で熱が出ているとは誰も思わないだろう。宗介は、そういう反応になるよね、と苦笑した。
「なんで茉鈴だけ?」
「んー、理由はわからないけど茉鈴が可愛いからじゃない? ほら、小学生って好きな子いじめたりとかするでしょ」
不意打ちの可愛い発言に茉鈴の心は
って、そんなことはさておき。
「好きな子をいじめる、かぁ……あ!
「順平くんのことも奈々ちゃんのことも僕知らないんだけど……まあそういうこと。疫病神がなにかの
宗介が話をまとめた。
「えー、病気はもちろんイヤだけど、嫌われてるのはもっとイヤだな」
「まあまあ、なんにせよ。その疫病神の姿が
「んー、いつか視えるといいんだけど」
そしたら絶対言ってやるんだ。茉鈴の楽しみを奪うなって。
――それから一か月、特にイベントがなかった茉鈴は平和な日々を過ごしていた。だが、次に待ち
「ヤクビョウガミさん、出ておいでー」
茉鈴はベッドに入ると、最近よくこのセリフを言うようになった。いつか疫病神が姿を見せてくれると期待して。
だが、疫病神が現れないまま、とうとう運動会の前々日になってしまった。だいたい行事のある二日前に茉鈴は熱を出すのだ。当日じゃないのは疫病神なりの
そんな配慮は今はどうでもいい。なんとしてでも話をつけなければ。
「ヤクビョウガミさん、出ておいでー」
今日もお
きた!
茉鈴は体を起こし、その相手を認識すると、すぐに顔をしかめた。
「……なんでサンタさん? 今九月だよ?」
疫病神と思われる奴は、茉鈴のベッドに
ヤクビョウガミさんってサンタさんなの?
……そんなわけないか。その
「子どもはサンタという者がみな好きだろ?」
しゃ、しゃべった!? パチパチと
「え、ヤクビョウガミさんってしゃべれるの?」
「当たり前だ。聞こえない人間どもが多すぎるんだ」
「へぇ……そうなんだ……」
って、そうじゃない。運動会になんとしてでも出るために病気にしないでって言わないと。
「ヤクビョウガミさん、茉鈴の学校、明後日運動会なんだ。だから風邪ひきたくないの」
疫病神はふんっと鼻を鳴らすと、床にあぐらをかいて座った。
「なぜオレがお前の都合を考える必要がある」
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