第二章 変な神様
第8話
「
そう言って苦笑いを浮かべた春樹は
探偵アジトから走ってきた秋斗は、
「だから、
これ以上ないほど
両方の掌を上に向け、肩を上げる希。おおげさに肩をすくめる彼女に、若干イラっとする。
「如月さんから出てきた黒い物体、が全くわからないんだけど?」
「それそれ! 俺と
「俺も見たわけじゃないからわかんねぇんだよ。ほんとにその黒い物体が如月さんの体から出てきたものなのか」
ところどころに出っ張りのある、黒くて
「うーん、
春樹は
「なるほど、それは一理あるね」
「でしょ~」と言いながら、春樹は人差し指を希と合わせて遊び始めた。ニコニコしている彼に対し、希は「爪刺さるから切って」と
「朝は時間なかったけど、また空いてるときに聞きに行ってみるか」
椅子の背もたれに体を
「もちろん俺も行っていいよね?」
春樹が相変わらずのキラキラした目で秋斗を見てくる。
「ああ、説明がわかりにくい俺より佐伯さんから聞いたほうが早いしな」
「秋斗、説明下手って言ったの根に持ってる感じ?
すかさず春樹は秋斗の肩に腕を回し、顔をのぞき込んだ。ほんと綺麗な顔してやがる。
秋斗は春樹の顔をぐいっと押しのけながら、希を
「拗ねてねぇ。希も行くんだよな?」
「行くんだよな? って、行くこと決まってたみたいじゃん。まあ、行くけどさ」
文句を言いつつもなんだかんだ秋斗たちに付き合ってくれるらしい彼女は、毛先を指でくるくるといじった。
*
昼休みに三人で探偵の元へ行くと、彼女は初めて会ったときと同じ体勢で寝ていた。
ほんとよく寝るな、この人。
「おじゃましまーす」
春樹を先頭に秋斗、希と続く。「うわ、ほんとにいる」と希は小さく
「また来たのか君たちは……って、一人増えてるじゃないか」
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