恋すると愛は形が違う。
彷徨。キスの度に。
多少の事は目を瞑って上手くやりなさい。
そう教えられた筈なのに。戯れる。
寄り添える孤独と寄り添えない孤独どちらの方がしあわせ?
貴方と私。
でも、やりたいの。
私にできる事があったら言ってね。それでも言ってほしいの。何でも。
夢なんかあるの? 貴方はそう言う。夢や展望でなくそう育っただけ。そう生えただけ。
根腐れする私。混ざり合っても足先から腐っているのを感じる。体の先が震える度にドス黒く滲む歪みに嗚咽を発しながら孤独に打ち拉がれる。子がいれば。子がいなければ。
私に価値はあったのだろうか?
価値? 貴方にも価値はあるの? 教えて?
鈍色の眼球が貴方を捉える。
貴方は自立し、両足でこの地を踏み締めている。私にはわからない景色を貴方は知っている。それが。とても。羨ましい。
清廉さに欠け逞しさに欠ける貴方に導かれてこの世界を探訪する。私には無い光。光が物質に衝突して跳ね返ってくる景色は私には捉える事の出来ない色を放っていた。凄く美しい。儚く汚れている。
壁を越えた先に見えない光を感じる。トレース。孤独が放つ光。
感情の萌芽。そういう人って案外出会えないから。
割に合わない自己を抱えて性と密着した日々を送る。貴方は友達だった。唯一の。
馬鹿やってふざけ合う。そんな人。
自由? 不自由? あっ。
お腹の子にさわるから。子がいない人生。
何処に行き何処へ帰る。帰る場所なんてあるのかな? 貴方にはあるのかも。
夫婦。友情。枷。運命。咎。
果ては何処にあるの? 教えて?
貴方は教えてくれるのかな?
光り輝く街に一人。
自然光では得られない何かが其所にある。
いったさきのけしき。
不完全燃焼の塊。鈍色の街。独り。
貫かれた先に待つ何かが私を変える。
私にできることってなんだろう。
好き勝手に生きてみたい。
だから貴方と過ごす? 未練?
なあんにもない。白い景色。
おろしたのかな。いるのかな。お腹に。
消失。
間違った青々しさに囚われて儚く笑顔が摘まれる。無垢の一欠片。
いつ気付くのかな。最果て。夜明け。
無情にも君は何かを知り鞘に納まる。
それが何となく虚しい。
ポエティックな虚像。貴方を形容する相応しい言葉。
それで全然いい。虚しさを受け止められなくて。許容できないから。貴方を通り過ぎて私は私になるの。だから。
行く。果てへ。暗い穴を抜け先へ。
その先に何があるの? 知らないよ。
けれど、そこにはなにかがあって。共鳴する何かがあって。成り立っている。パズルピースみたいに嵌め込むことができる人できない人。其々に人生がある。
だから。
私は貴方とは違う人生を生きる事になるんだろう。
それを思った日、初めて愛を知った。
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