第16話 魂の夢
夢を見る。
魂の夢であった。魂は1人に
しかし、あるきっかけが起こり、その
その
ほんの
だが、その
人間のほぼ全てに、完成された魂が入っている。だが、それは生まれたばかりの魂にすぎない。魂は再び世界を見て経験して成長していく。
そして、
魂の波動を感じる。それはなんとも言い
――――
目が覚める。
静かに目を開けた。眩しい天井が見える。
自然と涙が
『夢だったのか』
自分はどのくらい寝ていたのだろうか。長い夢だった。
だが、最後の悲しい感情だけが、誰かからのメッセージのように感じる。
数分間、そのまま夢でのことを考えていたが、まるで
ふと、包帯の巻かれた少女を思い出す。
『いったいあの現象は何だろうか、分からない事ばかり起こる。あの子はどうなったのだろう。名前すら教えてもらってない』
血の滲んだ包帯を思い出す。少女の姿とリラさんの姿はもちろん、その形跡も無くなっていた。
それから1か月ほど彼女たちに合わなかった。情報は何もない。必要以上のことは話さない監視員しか、この部屋には来なかった。こんな気持ちでいるのが辛い、このまま、自分の一生が終わるとは思いたくなかった。
リラさんに怒りをぶつけてしまい、申し訳ない。そんな後悔も考えてしまった。最後に一言謝ることはできるのだろうか。
監視員2人に連れられて部屋を移動していた時。いつもの廊下を歩く、そしていつもの窓がある。そこには無限に続く宇宙が広がっていた。その宇宙にはたくさんの希望があるように見えた。可能性が永遠に続いているように見えた。なぜかその時、先ほどの魂の夢を思い出す。新しい世界を求める、新しい世界を見て経験したい。そう魂が叫んでいるかのようで高揚する。
その言葉が頭をよぎった時だった。
前からリラさんが早足で歩いてくる。そして、自分達を遮るように立ちはだかった。
彼女は挨拶も抜きで、急かすように監視員を
「今、
「え、あ……え、いきなり、どうしたんですか? あの……以前のことですが……」
そんな言葉を無視して彼女は言い放つ。
「あなたもここから逃げたいと思ってるんでしょう?」
ドキッとした。まるで心を覗かれているかと思った。だが、少女を部屋に連れて来た時の状況と、今の自分の状況を考えても、彼女がそう思うのは当然だと理解する。
「
「そう。余計な事を話している時間は無いの、急いで」
リラさんは
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