第二十四章 カクメイなこと。
Episode 116 Xに隠された真意とは?
――何処に向かっているのかも、只々闇雲に歩く中で、私は漸く現在地がわかった。
私が今求めていること。その答えはきっと……
何処かの街並。初めて見る場所? 或いは幼き頃に見た光景? 長い時間を歩いていたのだろうか? 靴底は擦り減って、染みる冷たさ。お空も夜の帳で……確か学園を飛び出したのは、まだ午前中だったような気がする。探しているもの、それが漸くわかった。
マリー姫の行方を追っていた……
探しているのは彼女のお家ということも、やっと自身で定まった。迷い迷える迷う中で得た答え。私は今、ドミノとしてではなく、個人的に彼女に会いたいの。何となくだけれど、お話したら、よき理解者となり得るような、そんな気がするの。
北の星が輝いた時だった。
私とは違う鼓動を感じた。まるで流れ星のように……
「
と、
名も知らぬ場所。されど、懐かしさを感じたの。糸は引っ張られる、想い出の糸なのだろうか? 昔も昔……私はこの辺りに澄んでいた。そして、確信に至る。揺らぎなく。
「会いに行こうと思うの。ほら、この近く」
と、私は指した、その方向を。
歩道橋を渡り切ったのならば、白く聳える御城。幼き日のお友達。その子こそが、実はすでに再会していたのだ。覚えられないような長い名前だったことも。長い名前が一番の特徴だった。なので、私はこう呼んでいたことも、今と繋がったの。
――マリー姫。
小学一年生の同じクラスの子。一番のお友達だったことも。この御城に来たこともあったの。私は手を引っ張る、陸君の。……大丈夫。彼女はとっても優しい子だから……
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