Episode 115 十四日は、討ち入りだ。


 ――見えない明日へ向かうなら尚更。


 私は原点をしっかりと持っておきたい。何もなかった頃には、もう戻りたくない。



 押し寄せる革命という名の嵐は、まるで疾風か旋風のように、もう目の当たりに。


 昨日の図書室での楽しそうな会話とは裏腹に……


 マリー姫とウメチカさんの楽しそうな会話が、まるで夢のように思える程、今日は真逆な出来事。松近まつちかさんには容赦がないのだ。考え方の違い? それとも世界観に問題。


 その意味をも含め、時折は……


 逃げる選択肢もね、それらを覆い隠すように、突然のことだったの。


 荒らされるアジト。まるでまるでまるで……


 ドミノが崩壊する様。なす術もなく飛び散る書類。その中に紛れる動かぬ証拠も。白昼堂々と明かされ。先頭に立つマリー姫は、数十人の面々を引き連れて、職員室と校長室の境の場所から出てきた。段ボール箱を数十人の内の何人かが、抱えながら……


 没収という名のもと、胸を張って勝ち誇ったようなドヤ顔。


 私は今、向かおうとしていたから、その場に居合わせたの。


 マリー姫と数十名の面々と。すれ違っていたのに、私のことは眼中にない様子で。


 捕らえられた松近さん。両方の手首を縄で……まるで手錠のようにかけられ、犯罪者のように晒される。その原因は、まさしくお金。ミッションで得た報酬など……


 その後を追おうとする、戸中となかさん。


 私はどうしてか、彼女を引き留めていたの。


 震えが伝わってくる。彼女の身体から……


 彼女を引き留めた理由、その理由は何だったのか? その答えが出るにはまだ、余りにも突然のことで、あまりにも未経験だったの。


 直感が働いたから。でも、そうとしか説明ができず……

 ここから後は、私にも予測もできないこと。まさしく見えない明日だから……



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