Episode 073 ヒーローの娘。対峙するバイオリン・ヒーロー。
私は知っている。
対峙しているのは、ヒーローのような風格の女子で、ヒーローの娘だから。
「
と続く。ウメチカさんと
「君は誰だ?」
と、陸君は訊く。やっぱり藤岡さんのお顔が歪んで……「君ですって? その恰好からすれば、あなたたちは下級生ね。私たちの方が先輩ってこと。どの様な言葉を使うか、わかるわよね? 私は藤岡可奈。あなたは? 私は名乗ったわよ?」と、怒っている様子。
そこに生まれる、少しばかりの静寂。
だけれど、すぐさま、迅速な対応でざわめきを取り戻す風景。
「
私は事前に情報を入手していた。
藤岡可奈についてだ。あの国民的な伝説の特撮ヒーロー、その第一号の主人公役が彼女のお父さんだ。そして彼女のお父さんの名前が藤岡
フッと息を吐いた藤岡さんは、
「君とは少し、お話した方が良さそうね、椎名君。私が案内してあげる、色々と……でもね、それは今ではないから」
「何故なら、もうすぐ授業が始まるから。でしょ、藤岡先輩。あるのなら放課後? それとも明日のいずれか? 空と共々合わせますよ、あなたの御都合にね」
と、陸君は言う。私にアイコンタクトを取ってから、
「じゃあ放課後、ここで待ち合わせましょう」
と、藤岡さんの一言で締め括られた。従って一時、ここで解散ということになったの。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます