第十四章 ブギウギなこと。

Episode 066 レッツ、ウメチカ・ワールド!


 ――帰路は、そのままウメチカさんのお家へ。それはイコール、梨花りかさんのお家でもある。だからこそ良い。……ありのままのウメチカさんを知るルーツになるのだから。


 ウメチカさんがウメチカを歩む後ろ姿は、思わずカメラを構えるようにと誘われた、絵になる光景。一眼レフのカメラだから、やはり大きさ的にも目立つけど構わないの。


 青春の一ページは、かけがえのない宝だから。


 そっと……盗み撮りした。ピント合わせはもう慣れたものと自画自賛。コツは図と図を合せるパズルのようで楽しい。この頃からパズルというマイブームが生まれていた。


 実はね、北陸本線で行われていたスタンプラリー。密やかに、そんなイベントが開催されていた。私はやっぱり撮り鉄なのかな? 血が騒ぐのを覚えた。各駅の魅力……


 コレクションも増えた、写真の枚数。このスタンプラリーはね、北陸本線にある各駅を撮影し、各駅の魅力をアピールすることを競う内容。景品はジグソーパズルなのだ。


 ああ、世界で一つだけの駅の魅力いっぱいの、自分だけのジグソーパズル。


 ……はあ、というウットリ感の中、


そら、明日も行こうね、ウメチカ戦」

 と、耳に入るお姉ちゃんの声にハッとなって、ちょっぴり顔が熱くなって、


「お姉ちゃんたちの作品もあるんだったね。梨花さんと一緒に作ったバンプラ。やっぱり実物のウメチカ戦はスゲーや。それから百貨店でやってるイベントも行こーね」


 バンプラとは、プラモデルブームを巻き起こしたと言われる、伝説級のアニメで登場したロボットたちのプラモデルだ。お姉ちゃんもその魅力にハマった一人だから。


「何があるの? 百貨店で」

 と、ウメチカさんがお姉ちゃんに訊いた。


「鉄道模型の大会。毎年恒例でやってるみたいなんだけど」


 と、お姉ちゃんが答えてくれたから、私の喜びは絶頂に達し、その表現としてブンブンと、ウメチカさんの両手を振りながら、


「ウメチカさんも行こー行こー。明日の試合が終わってから」と、舞うはチークダンス。



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