第十三章 ウメチカなこと。

Episode 061 ウメチカさんなだけにウメチカで御対面。


 ――この会場、そしてこの大画面。ウメチカ戦とは、℮スポーツ合戦なのだ。



 心は近づく。あなたのエッセイを拝読して重なる心。沢山の元気を頂いた。だから見えるの、ここからでも、硝子越しのあなたのお顔。……拝見の領域に至るまで。


 溜息? それとも吐息が出ちゃう程に、女の私から見ても憧れる域だ。だからこそ、あなたと戦いたかったの。元はキングキングスと呼ばれたウメチカさんと、そのイケメンな彼氏。いきなり高いハードルだけど、初心者の強みを満開にする。ベストを尽くすの。


 だからこその、このキャラクター。


 私の全力全開の形態となっている。昇り竜の様な激しき攻撃を備えつつも、柔よく剛を制すの技も極めたヨガの力も備わっている究極の『白色の戦士』なのだ。


 ――ウメチカさん、接近戦は私にとっては有利ですよ。


 との、せめてもの心の声。マジカルエンジェルと名乗るあなたのキャラを吸い寄せるような、静かなる攻撃。ヨガパンチ……小振りなだけに目立たないけど、確実に奪うの。


 あなたのキャラのHPヒットポイントを。ジワリジワリとね……


千佳ちか、距離を保て。接近戦はこちらが不利だ」


 と、何処からともなく聞こえる声。男の子でしかもカッコイイ。ウメチカさんの彼氏の声を初めて拝聴。可愛い系の陸君りっくんとは対照的な人のようだ。それに千佳というのは、ウメチカさんの本当の名前。……じゃあ、エッセイの中で現れる星野ほしの千佳が本当の名前だ。


 益々、堪らない程の興奮。もっと大好きになったの、あなたのこと。


 ビッグサイズのハートが現れそうになる程。何処からが会話で何処からが心の声かの区別できない程の興奮だったから……それでも、答えてくれたの。私の言葉に……


「君は、僕のこと知ってるの?」

 と、私に向けられた問いだ。マイク越しでも直に、あなたの声を拝聴したから、


「知ってるも何も、ウメチカさん、あなたにお目にかかりたかったのですから。そして『姉がお世話になってます』とも一言つけ加えたかったので」と、答えたの……



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