Episode 039 執って撮って摂りまくるの!


 ――見事なまでの『とる』の三段活用。そこには文章も関わるの。



 なので……


 写真も撮るけど、執筆も加わっていた。そして『書くと読む』という小説サイトということもあって、数多くの作品から養分を摂取する運びなの。エスカレートする想像の中に於いて、もしかしたら自身のブログを立ち上げるとか、写真部を築くとか……


 写真は真実を映す力。

 文章は剣より強い力。


 ……そういえば、学園には写真部はないのか? ふと気にかかった。動き出す思考。そんな最中で聞こえる春日はるかさんの声。……えっ、春日さんの声?


そらちゃん、すっかり夢中だね。私の声が聞こえない程」


「あ、はい、すみません」


「いいのいいの、そんなに夢中になってくれて、案内して良かったよ。でも、もうすっかり夕映えだから、帰ろ帰ろう。帰ったら、ゲーム。一緒にやろうぜ! ってノリだから」


 と、春日さんは言うのだけど……


 ゲームってどの様な? 見たことも聞いたことも、まったくの初耳だから。


「ウフフ、実は発見しちゃったのだ。パパの寝床から、昨日ね、コッソリと」


 そ、それって……


「プライバシーの侵害では?」


「エッヘン! 可愛い娘が我が父の散らかったお部屋を掃除してやったんだ。だからこれはね、御褒美なのよ。とてもレアなソフトに機械も。スーパーファミコンって奴だから」


 春日さんは、ドヤ顔で。


 ……重なる、陸君りっくんが時折見せる、やっぱりドヤ顔みたいな……この姉にして、この弟がいるって感じな。そこに割り込むようにと「君も、この時代の目撃者になる」


 と、更に盛り上げてくれる。そうなの、今宵は春日さんと二人きりの夜を過ごすの。



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