第七章 スクスクなこと。
Episode 031 私を月に連れて行って。
――今は夜も更けて、もう一泊のお泊りとなった。何とホテルなの。
でも、ホテルと言っても……カプセルが付く。ここでは男女別々の寝泊り。
食事処……と言うのだろうか、ラウンジで食事を済ませた後、私と
其々の想いを胸に床に就く。
でも、眠れないのが本音で、募る想いは脳全体に至るまで支配していたの。目は覚めるけど、貴重な睡眠、どんなに浅くとも。……でも、寝汗。辛抱堪らず、床を出て歩む廊下へと、夜を渡る覚悟から入った大浴場。整えるための、サウナ完備の大浴場。
様々な広いお風呂もあるの。
思えば、ここ北陸に来てから、お風呂が大好きになったような気がするの。
今はもう日付変更線を越えて、今日になるの、陸君と一緒に
陸君の憧れは、バイオリン・ヒーロー。
陸君が越えたいのも、バイオリン・ヒーローだ。では、その人はどの様な人なのか?
伝説の人と言うけど、どの様な伝説の人なのか? どの様なヒーローだったのか、私も知りたくなった。なら、この拳のぶつかり合いによって答えが求められるのだろうか?
サウナの中で、私は思考に走る。
迸る汗。そこを超えたのならば、スッキリした睡眠を手に入れられるかな。
「あっ、やっぱり
と、声を掛けられる。近づくにつれ、見覚えのある裸体……ではなくて、何と
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