光路

自分を探した

迷う暗闇の中に

憧れた光を追って

真似してみたけれど

僕はあの人にはなれない

なろうとするたびに

体を縛りつけて

自分を殺してた


僕はどこにいるの

深い森の中で



生まれてから何人か

凄いなって思う人はいたから

ときには踊って真似してみたりして

やっぱりあの人、カッコいいな


いつか、僕もそんな風に

歓声に包まれながら歌を歌って

世界へ愛と希望を

凄い音楽を届けるだって


夢を追い始めて

あの人の背中を追いかけて

足が引きちぎれてもついて行ってやる

置き去りにされても

気持ちだけは

負けないって唱えて走り続けた


でももうその背中も

どこかへ消えてしまったんだ

あの人はいつもいるけれど

別人のようなのは

僕の色素が変わったから



眠れない夜はずっと続いた

初めは怖くて仕方なかった

今じゃ全然平気になってる

性なんて知りたくもなかったな


どこかに自分の居場所が

あればこの夜はいつか明けるのかな

本当は求めてなんていないのに

また偽りの心を演じている


走り出したあの日も

何も知らずに

楽しんでいたよ、ただ馬鹿みたいに

でもそれは僕じゃないって

思えるのは振り返って哀しくなるからかな



自分を探した

迷う暗闇の中に

憧れた光を追って

真似してみたけれど

僕はあの人にはなれない

なろうとするたびに

体を縛りつけて

自分を殺してた


僕はどこにいるの

深い森の中


何をしていても満たされない

何を見ても感じない

飽きたんだこの世界に

呆れたんだ自分ことを

全ても


偽っている

この世の中へ

恨みも

憎しみも

吐口なんてどこにもない


許せなくて

許せない

ほとんどが運のようだった


僕はあの人になれない

憧れは追うほどに遠ざかって

自分が霞んで

消えてくだけ

身体は薄れてる

壊していく

自分の習性を

無臭になって

透明になるのは

あの人は自分じゃないから

僕は消えていくんだ


壊さないと

壊すことでしか

自分を砕いて

あの人のフェイカーに

なれやしないよ


捨てきれなかった

自分自身の心臓は

この核は

染まることを

赦しはしなかった


自分なんてなかったんだ

憎んでも笑っても

住めば変わるような頭の中じゃ

僕は何者なんだ?

僕に何ができるんだ?

そんな事に答えなんてなかったんだ


自分がなくて

明日が来なくて

何度も地図と時計を確認しても

深い森の中で

迷い歩き続けて

どれだけ何かを探しても

見つからなかった


ならそれが答えだ

僕なんてなかったんだ

だけどもう怖くはないんだ


僕が無いのなら

作ればいいだけだから



やりたい事なんてない

夢なんてもう消えた

好きなモノだって影薄くなってる

自分なんてもうわからない

だけれど暗闇は

そこにあったんじゃない

光は


光は探すモノじゃない、作り出すものだ

輝くのは道じゃなく、自分自身だろ


自分が見つからないなら

夢なんて消えてしまったなら

自分を作り出していけ


その足跡が光路になる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る