フレセンス

早朝の時計

味覚もどっかに行った朝食

見たくもない満員電車

にっげろぉおおおおおおおおおおおおおお!


ああなったらいいなとスマホ覗く

日々の苦労も悲しみも忘れられる

こんな時間は必要さ

やってられないからな、日常は


現実逃避も慣れたね

栄養ドリンクのようなもので

体が軽くなるよ

少しだけ朝日が綺麗に見えたり

ちょっとだけ魅力的な人との出会いを予感したり


あ、ああ。

それが目に映ると嘘みたい

足が重すぎる

また仕事か


何でこんなことしてるんだろう?

何度も何度も自分に聞いてきた

その度に出るアンサーは

そうしないと生きられないから

たまに見かける薄着のやつがヘラヘラ笑ってたり

してもまだ俯いてしまうのは

やっぱり現実の怖さ


やりたいことばっかりしてる奴は

ろくでな奴にならないと言われ

頭のいい奴は、ちゃんと勉強してる奴

将来はお金持ちだなんて

僕はそうはなれなかったよ

もう終わりなのかな……


でもあの漫画を読んでいるとき

あのゲームをしているとき

あの小説を手に持ったとき

僕たちは少しだけ嬉しかった

まだまだ楽しいと感じていた

こんな世の中でも生き甲斐があるって信じられた

あの作品に触れるまで、まだ死ねない

それだけで生きてていいんだよ


明日が嫌ならバイクを盗んで朝日に向かっていけ!

事故死してもいいくらい絶望してんなら、捕まったってかまわない!

・・・・・・イカれてるよ!!


こんな世の中邪、目も伏せたくなるね

あれがああならいいのにとか

アイツもっと苦しめばいいのにとか

そんな本心もある

思っているだけなら自由、言わないなら悪くないよ

当たり前だって、しっかりしてるのは

褒められていいことでしょ


あなたが我慢するから得られたものがある

助かっている人がいる

そんなに暗い顔してないで胸張ってさ

堂々としてなよ

君は悪い人なんかじゃないから


まだここには希望がある

信じたいものがあるでしょ

だったら少しだけ隠さないでいよう


まだ僕は行きたいんだって

楽しめるもの、愛しているものがあるから


これは現実逃避なんかじゃない

現実を輝かせるものなんだ

僕たちを輝かせてくれるんだ


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