第2話 賄賂に生きているゴミなお前ら

 学校に行けば周囲の人間はくだらないことで笑い、泣き、怒っている。


 悪人は他人を傷付けて、喧嘩し、嘘で誤魔化す。


 しかし、上杉 芯は皆と違う。


 悪事を働けば怒られる。


 それは当然だろう。


 だが、正義のために戦っても怒られる。


 芯にとっては何をすれば正解なのかが分からなかった。


 父親のわがままとご機嫌取りの毎日、まるで、どっちが親にならなければならないのか、掃除を無理矢理押し付けられ、勉強を強要、教科書通りにやっても怒鳴られる。


 こんな生活を送っている子どもたちは多い。


 警察や国は無能故に役に立たない。


 それなのに税金だけは奪っていく。


 周囲の人間に正義を話したりもした。


「なんで、俺たちがそんなことしなけいけねぇんだよ。やるなら一人でやれよ。」


 これがお前らの反応だ。


「さぁ、皆さん。将来の夢を発表してください。」


 そう、こういうゴミどもが一緒に大人になっていく。


 詰まり、こいつらが上に行くと言うことは、碌でもない社会が出来上がる。


「俺の将来の夢は、税金を支払って、投票権利に振り回され、国にいいように使われるお前らを眺めることです。そして、なにも気づかずに子供を産み、真面目に働きながら悪人の手駒となり、最終的には産んだ子供を悪人の奴隷として差し出すか、慰めを強要させるのを黙ってみているお前らの素晴らしい生き様を見ることです。そして、我が子が犯罪に遭っても立ち上がれない無能なお前らを見続けることです。この夢はお前らが無能だから簡単に叶うと思います。」


 それを読み上げて、上杉 芯は教室をゆっくりと立ち去った。


 屋上で空を眺めていると心が休まる。


「う、上杉くん………先生、怒ってたよ?」


 上杉はいじめられていた女の子を助けてから、その女に声を掛けられるようになった。


「はぁ? あんたわかってないわね。上杉の将来の夢って私達が見つめてかないといけない問題なのよ!! それに目を背けてのうのうと生きていく、そういうゴミになったらダメってことよ!!」


 そして、もう一人、異常に共感してくる女がいた。


 上杉に取ってはどうでもよく、名前も顔も覚えていない。


 無理もない。


 小学生の出来事だ。


 上杉にはクズ親父のことで頭がいっぱいだった。


 国を変える方法を考えたり、やることは山積みだ。


 国がクズだという理由も単純だ。


 国が法律で父親を殺した場合、死刑確定の法律を創り上げた。


 親を刺し殺した男の子達は問答無用で死刑にされた。


 しかし、女が父親を殺した場合、死刑は免れた。


 国は問題に直面したのが美人なら正義を考える。


 しかし、それが男でイケメンなら、嫉妬して死刑にするだけ、そんな国を信用などできない。


「あのさ………上杉、あんたが良ければだけど、あたしが養ってあげようか?」


 初めての告白がそれだった。


 上杉はその告白に対して何も言わずに出て行く。


「ちょっと待ってよ!! 返事くらい聞かせなさいよ!!」


 上杉は歯を食いしばって怒りに任せて口を走らせた。


「うるせえんだよ!! 俺の隣に立てるとか自惚れてんじゃねぇよ!!」


 女は大泣きしていただろう。


 その鳴き声が聞きたくないために、さっさと下校した。


 なぜ、そんなことを言わなければならないのか、それに、いつ死ぬかもわからない人間だ。


 恋愛なんてしてる場合ではない。


 上杉は家に帰って父親に正義執行を決意した。


「父さん、俺………バスケやめるよ。」


 いつの間にか父親をお父さんと呼ばなくなっていた。


 父親は恫喝してきた。


「ガキが親には向かう気か!!」


 父親は物を投げてきた。


 上杉はそれに目を逸らさず避ける。


 一つ避ければ父親は少し驚いたようだ。


 『なぜ、当たらなかったのか』とでも思ったのだろう。


「どうしても辞めるって言うなら、1番取ってからにしろ!!」


 まるで、ヤクザが言うような条件だ。


 やめたければ『小指』を切れ、やめるなら『1億』持って来い。


 小学6年生相手にふざけた要求をするクズ親、俺は父親にいう。


「1番? 父さんは1番取ったことなかったと思うけど?」


 そう、このクズ親父は自分の自慢を良くする。


 ベスト4止まりが限界だった。


 それをいつも自慢しているゴミ親父だ。


「なんだと!!?」


 親父が怒号を挙げるも上杉は怯まない。


「1番になれないけど、他人には強要、そして、やばいと思ったら自分だけまっさきに逃げる。口先だけの立派な親父だ。」


 上杉が事実を並べると父親は耳が痛いようだ。


「黙れ!! ガキの分際で―――」


 上杉も譲らない。


「うるせえんだよ!! 口先だけのクズ野郎!! お前は俺のクラスから臆病者のサンタクロースって舐められてんだよ!!」


 親父はその言葉に怒りの矛先を向ける対象を一瞬見失う。


「お前は………小学生にも舐められる賄賂だけの無能なんだよ!! 俺は寝る。」


 上杉の環境は生と死の隣り合わせ、寝る時も肉親といえど油断できない。


 そんな環境で生き延びてきた者たちは、いつも弱音を吐いて我儘ばかり、そして、怒ることしかできない無能にはわからない世界だろう。


 そういう無能が自分を奢り、過信し、選挙に立候補する。


 合併を許し、賄賂を当たり前だと思い。


 気が付けば、悪事に呑まれていく。


 上杉は熟睡したことなど無い。


 コンディションは最悪だ。


 それでも戦わなければならない。


 親父が上杉の寝込みを襲おうとした。


「―――!!」


 上杉は眠っていたが、殺意と気配を感じ取った。


 子供はしっかり寝た方がいい。


 無能は口先でそうほざくだろう。


 幸せな証拠で、他人に迷惑を賭けてる証拠でもある。


 上杉が目を開けて眠気とも戦いながら大人の攻撃を回避する。


 ガキの寝込みを襲う父親、世の中には、娘の腕を切り裂き、泣きわめけば『うるさい』と言ってビンタする。


 世間では親ガチャ失敗だとか言っているが、世間というものが腐ってるから無能な猿が子供を産みたがる。


 子供は生まれながらにして、親しか見たことがない。


 親を過信し、親がどんだけゴミクズ野郎でも、それを愛情と受け止める。


 物心が付けば、親がクズなのかがわかってくる。


 クズの子供はクズかもしれないが、一つだけはっきりしていることがある。


 そういうクズと四六時中一緒にいなければならない。


 仕事で一緒になる人間とは立場が違う。


 帰ってもゴミクズな親と一緒、そして、命がけの日常、それが待っている。


「このクズ親父が!!」


 ご飯もまともに食わせてもらっていないこの体では、一発でも貰えば老後に響くだろう。


「うらぁッ!!」


 『ゴン』という音が鳴り響けば、父親は気絶していた。


 命の危険を感じた。


 はっきりとそれがわかる。


「明日明後日は土日で大会だ………国の連中はこのクズと同じ、そして、知ったような常識を語る無能共だ。父親を男の俺が殺せば死刑になる。」


 上杉は父親の利き腕を潰した。


 残酷なことを強いられる。


 そんなことをさせたクズ親父、この親父を野放しにした無能共にでかい顔をされたくないものだ。


 クズから生まれた人間はクズなのは事実だろう。


 だが、賄賂に負ける人間はもっとクズだろう。


 そして、賄賂を普通のことだと認識してしまった人間はさっさと死んだほうがいい。


 上杉は親父を縄で縛り上げて拘束し、初めて熟睡というものを知った。


 目が覚めれば、目の前の光景が嫌でも飛び込んでくる。


「はは、このクズ親父、まだ気絶してるのか………」


 おそらく、クズ親父は目覚めたけど、苦痛な上に拘束もされており、眠れない夜をもがき苦しんだ。


 そして、疲弊して気絶するように眠ったのだろう。


 純粋で痛みをよく知る上杉にとっては、罪悪感に押しつぶされる思いだろう。


 まだまだ寝ていたい。


 しかし、試合は待ってくれない。


 上杉は支度して朝食も食べず出ていった。


 父親の横におにぎりを2個だけ置いといた。


 一日食わなくても死ぬことはないが、念のために置いておいた。


 優勝した後で、腹が空いてたとか寝込みを襲うゴミの戯言を一つ聞かなくて済むと今だけは考えておいた。

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