第5話

学校


悲しいことに、痴漢事件は終わってない。


まだまだ、俺はみんなと仲良くなれない。


教室を出て、俺は一人で屋上に行く。


屋上は今では誰も来なくなった。俺を一人にさせてくれるようになった。


俺がいるとみんなは離れていくから。


そう、みんな離れていた。


つかそもそも近くなかったか。


「はぁー、」


ーーーー 

春視点


春「優、今どうしているかな?」


春は思わず独り言が出てしまう。


桜「春先輩!!」


春「あら、桜ちゃんどうしたの?」


桜「先輩、今日こそはサークルに来ませんか?」


春「ごめんね。今日パス」


桜「先輩もですか!」


どうやら、夏達も同じく休んでいるようだ。


明らかに昨日とは違う。行動は同じだけど、笑顔がない。優はいつも朝は笑顔を見せてくれる。


どんなに夏達が攻めても嫌っても笑顔で大丈夫だよと、仲良くしたいと伝わる、優しい笑顔、それが今はない。


ーーーー


放課後


春「あ、優、おかえり」


「ただいま」


夏「ユーウー、おかえり」


「ただいま」


秋 「おかえりなさい、優くん」


「ただいま」


冬「・・・」


「・・・」


冬「・・・ぁ」


優は帰るとそのまま部屋に向かう。


春「優、待って。今日はお話しを」


優「あとでね」


 

優は昔は、帰ったら必ずただいまのあとに名前を呼んでいた。そして、冬にはおかえりと言われなくて、返事がなくても、ただいまと名前は呼ぶようにしていた。


だが、今は作業のように挨拶をしている。



ーーーー

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る