第33話 ヤトルフェ
ー #ジエンド視点 ー
機械部副部長 (リエ先輩) の人格の変化が激しい、というか
普段大人大人言ってるくせに機械の事になると早口になるし。
ホント会話の間に紅先輩がいなかったら年休300日を続けてたと思うよ?
正直ウザいし。
「あっ、そうだ。装狂演譜の運営権だけど欲しいなら蒼転寺さんに渡すよ?」
リエ以外 「「「「あっさり!!!!!!!」」」」
機械部副部長が爆弾発言をしてこの議題は終わりだと思ったんだけどさ・・・
「改めて装狂演譜に向き合うとさ、なんていうか蒼転寺さんの思いというか
こだわりが凄いんだよね。
商品展開もそうだけど
いくらお金を積もうと7か月前には工場と交渉しないとダメだとか、
各武器のバランス調整とかリエでは万全の状態でリリースできなかった。
” 思い出 ” とか ” 憧れ ” で装狂演譜を
させたかったけどもう・・・・疲れちゃったよ。
リエでは蒼転寺さんの真似ができなかった・・・・
クールぶってるのは蒼転寺さんのイメージだけど、いびつさが残るというか。
リエはただ蒼転寺さんと・・・・・蒼転寺さんと・・・・・ううぅ」
「リエちゃん・・・・・」
テーブルに俯いて泣いてる機械部副部長。
あー、真似か。いや裁縫部顧問と機械部副部長って性格大分違うよね?
「・・・・・・・・」
?
急に機械部副部長泣き止んだ?
ゆっくりと・・・・違う。
何か糸にでも操られているかのような不自然な挙動で立ち上がり話し始めた。
「残念ながら運営権も渡す気もないし、貴様に負ける義理もない」
「!!!!!誰なの!!!いや大体の推測は付いた!
蒼転寺遺伝子をリエちゃんが取り込んだということはつまり!!」
凄いなこの裁縫部顧問。自分で驚いてその場で答えを導いてる。
「察しがいいな、蒼転寺ラン。
これも貴様の能力 ” 人読み ” というやつなのだろう?
優れた洞察力と集中力で相手の考えを ” 予言 ” する未来予知」
それって私の乱数が分かるのと同じ?いや裁縫部顧問のほうが上っぽい、
現在の対処ができるのが私だけど未来までは無理かな。
「ならば分かるでしょ?今すぐ戦いましょう。
それとあなたをリエちゃんと呼びたくないから名前教えてくれな・・・・・
教えてもらえると嬉しいのだけど?」
ちらっと紅先輩の方見た裁縫部顧問、
多分教えてくれない?って言おうとしてたのかな。
「よかろう、我が名は ” Я†orufe ” だ」
リエ?以外 「読めるか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
律儀にスマホを見せて、えっと何?
Rの逆文字にダガー?これヤバいやつだ。
紅先輩のファッション中二病とは違う高二病患者。
「ふっふっふ常人には解読できまいて。
我が名はヤトルフェ。蒼転寺ヤトルフェなり!!!!!!!!」
ヤト・・・・ダメだ、私では呼称できない。
もう機械部副部長ペルソナでいいや。
「我は宿主であるリエと違って野心的でな、
蒼転寺のチカラを持って貴様を倒すのが目的。
いや出てこなかったら出てこなかったらで我がこのゲームの頂点だがな」
ヤトルフェ以外 (この人ノープランだ) げんなり
「そうとも!我はクリエ・リエと蒼転寺のチカラを引き継いだ
正当後継者である!!!!!」
うわ、リアルでドリト〇イ構文使う人初めて見た。
もしかして心が強ぇ人なのかな?
「なら証拠見せてく・・・欲しいのだけど」
どうしよう?
裁縫部顧問もリカバリー能力が凄いだけで、行き当たりばったり。
「よかろう。ソウテンクリエールを参考に我が創造した機体
” 業火繭嵐 desu†oЯoi ЯF ”」
「あのぉ、ヤトルフェちゃん?私馬鹿だから読めなくてね。教えて♡」
ああこれ完全に子供あやす時の大人だ。
そういえば教員免許あるから裁縫部顧問は大人か。
「仕方あるまい。 ” ごうかけんらん デストロイ リフレイン ”」
ヤトルフェ以外 (読めるか!!!!!!こんなもん!!!!!)
「この機体は蒼転寺ランの残したソウテンマルをバッテリーとして・・」
ヤトルフェ以外 (なんか語り始めたんですけど!!!!!!)
「再設計した機体だ。
剛性を高めるため稼働フレームを廃し、完全1人用の装狂演譜。
バックパックのソウテンマルを支える本体ともいえるクリエールも
流用しつつ主要部分は新規造形。
最大の特徴は3mm接続穴を生かしたエネルギー供給システム。
ワイヤーを各穴に浸食させて文字通りエネルギーを食らいつくす。
装狂演譜という規格の都合上全機体の活動を阻害することが可能、
無論対戦相手の機体もだ。
奪ったエネルギーから放たれるSPスキルである
” 遺伝子分解砲 ЯF ”・・・・・ヤトルフェ・ファンタズマは
リエのラグ・ファンタズマよりも発射時間が短い分10の砲門は高出力、
戦いの後はオーバーホール必須となるがユニットごと取り換えればいい。
残念だが我はソウテンマルに思い入れなどないからな。
ちなみにファンタズマの頭文字はPであるがFと表記したのは誤植ではない。
こだわりポイントなのだ」
「わーすごい、すごい」ぱちぱち
「当然だ」ふふん
裁縫部顧問とペルソナの漫才は置いておいて、
私ならどう戦うべきか。
接近すれば触手の餌食、かといって中距離だと必殺技で倒される。
ちょっと対戦見たくなったかも。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます