第31話 ゲームの運営って大変なのよ?
ー #保健室 #放課後 #ジエンド視点 ー
殺人ドッジボールが禁止になって生徒たちの暴動はますます過激化してる、
まあ遺伝子をとっかえひっかえした代償で精神が不安定な子が増えたし。
ゲームで言うキャラデザの変更感覚で身体能力を変えれるから
身長低い子が20cm伸ばして頭をぶつけたり、
体重減らし過ぎて栄養失調で倒れたりと不具合も出始めてる。
緊急事態と判断した伯爵が新作ゲームを公開して家に引きこもってもらうのが
今回の議題。
どこかの偉い人も言ってたけど「緊急時は帰ってプ〇ステでもしてろ!」が
正解なんだ。
☆☆☆
「誠に不本意ながら機械部副部長であるリエさんの案を飲まざるを得ませんね」
伯爵の発言すごい違和感がある、不本意?
「正直現実世界で大人共がドローンやら人体錬成兵を使役している状態で、
ロボット物が売れるかどうかは未知数なんですよ」
あー、なんかわかる。
確か私が子供の頃は何とか粒子で動くロボットアニメが放送してたけど
数年後したら2足歩行ロボじゃなくて
小型ラジコンのドローンが大頭してきたっけ。
さらにAIも出てきて大型ロボットが街を支配するって時代から、
等身大ロボットが人間を統治するSFが流行したし。
「確かにそうかもしれないけれど ” アーマード・ユリ ” の流行や
” ド〇ル○○○ロボ参戦 ” みたいにネットでバズれば勝機はある」
「ドリ〇〇〇〇ロボのゲームはまだ発売してないでしょうに」ドン引き
というか伯爵も把握してたんだ、〇リル○○○ロボ。
「リエさんの悲願とも呼べる
2足歩行ロボットのフィギアをカスタムして戦わせる2vs2の対戦ゲー。
だけど肝心のフィギア流通ができていないからデータ上のロボットを
プレイヤーが整備して戦わせることになりました。
無論主人公機だけは年内に商品化予定ですが、
ライバル機や敵量産機に至っては現在も検討中ですね」
なんか伯爵のトーンがずっと低い、質問しようかな。
「もしかして伯爵、このゲームに乗り気じゃない?」
「ええ、開発費回収出来たらいいなーぐらいの感じなんですよ。
殺人ドッチボールの代役でちょうどいいのがコレなだけであって、
リエさんが完成度90パーセントの現物を持ってこなければ採用すらしません」
フィギア買わないとキャラクターがアンロックされないゲームって
今の時代に合わなさそうだし。
それでもガチャよりはマシってところかな。
☆☆☆
伯爵が電子書面にサインをしようとタブレットに手を伸ばした時、
例の先生、裁縫部顧問の声が聞こえた。
「あいやしばしまたれい!!!!!!!」
「もはや何のキャラだ!!!!リーヴェよ!!!!!」
終始黙り込んでいた紅先輩がツッコミを入れた、
というか先輩は機械部の派閥なのに装狂演譜をあまり宣伝してなかったし。
「商品流通の前にデジタルなロボットを動かすのは賛成よ、
流石は蒼転寺の血、商才あるわね」
「それはどうも」
裁縫部顧問と機械部副部長が会話を始めたけどさ、
多分これ宣戦布告だ。
絶対話長くなる、顧問の声色攻撃的だし。
「でも今ロボットって売れるのかしら?
確かにおうち時間が重要視された時代にロボプラモが流行したのは事実。
でもそれと同時に ” 転売屋 ” が暗躍したのもね。
対して今は場所を取るプラモやフィギアではなく
” カード ” 具体的には某モンスターのカードボックスが
彼らの主戦場になってるわ」
あー、最高レアのカードが2桁万ってニュースサイトで見たし、
宝くじよりも当たる確率が高いから未開封ボックスが転売価格でも
売れてるんだっけ?
「転売屋は悪だと思うのだけれど、貴女は肩入れするの?」
「残念だけど私、道徳赤点だからね☆
” 転売屋にも見向きされない商品は売る価値なし ”
これがトキソウ・コンツェルンの社訓だから!!!!!!!!」
伯爵も赤点だったような気がするけどまあいいや。
「そしてゲームバランスにおいても・・・・・・
組み合わせ無限のゲームと言っても環境で使われるパーツは少数。
もっと言えば装狂演譜をロボットホビーメインで売るとするならば
性能インフレは避けられない、だって弱い武器のついてる商品は売れ残るわ」
「それを何とかするのが運営であるリエの仕事なんだけど」
「ではこうしましょうか、このゲームの運営権を賭けて私と戦わない?」
「いや、どう考えてもリエにメリットないでしょ」
うん、学生が提案したゲームを大人が横取りしてる図がこの会議だし。
「なら動機を作りましょうか。認識疎外装置を解除するわ!!!」
徐々に裁縫部顧問の姿が明らかになっていく。
片眼鏡って初めて見たかも。
緑の癖っ毛は胸部分まで伸びていてOLを思わせるタイトスカートは短め。
その上から白衣を着ていて出るとこ出てる、
スマホぐらいなら余裕で乗ると思う。
なんていうのか科学部の女先輩というかマッドサイエンティストというか、
コーヒーをビーカーで温めてそうな常人とは会話できなさそうなタイプ。
「その姿は!!!!やはり
紅先輩が・・・・って声大きすぎ。
「そして私の愛機、トキソウマルがお相手するわ!!!!!!」
自分の名前をロボットに入れてる裁縫部顧問、
もしかして承認欲求高め?
違うかな、紅先輩は彼女を別の名前で呼んでいた。
トキソウ・リーヴェ・・・・・・蒼転寺ラン・・・・・・・・
おかしい、どちらも私が名前で呼べてしまう。
どちらも偽名って事?
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