第30話 もしかして紅先輩いじめられてる?その2
ー #ジエンド視点 #放課後 ー
あー、ドジった。
ほら不良が捨て犬拾うみたいにさ、
そういうの。
昨日食堂で ” 白いたい焼きフェス ” してたから
紅先輩におすそ分けしようと部屋まで行ったら悲鳴が聞こえて、
慌ててピッキングしたら先輩が赤ちゃんになってた。
そりゃオムツ貰うでしょ?人として。
でも朝になって自分が凄いことしてんだって気が付いてさ、
謝りに行こうとしたんだ。
☆☆☆
「紅先輩、昨日は魔が差したのでお返しします」
そういってプラ容器に入った先輩のオムツを手渡した、
これがまずかった。
先輩のクラスの野次馬に見られた。
☆☆☆
ー #翌日の朝 ー
またやってしまったと朝になって後悔した。
せめて屋上に呼び出して秘密裏に渡すべきだったと思う。
本当は今日もオンライン授業の為寮に引きこもっていたかったけど
直接謝ったほうがいいかなって。
朝先輩のクラスに行ったら机に2つ紙オムツのパッケージが鎮座しててさ、
先輩がイジメを受けてるんじゃないかと疑問を抱いたんだ。
こういうのって花瓶とか遺影を置く物だけど
わざわざオムツを置いてある当たり悪質ではあるかな。
そしてその日紅先輩は学園に来なかった。
もしかして私のせい?
ー #放課後 ー
紅先輩の部屋には人だかりができていた、
いや全員スカートの下に紙オムツを履いた不審者どもがっ!!!!!!
なにこれ?新手の新聞勧誘?
それぞれが皆、紅先輩への懺悔の言葉を発している、紙オムツで。
何者かの合図とともに全員がお漏らしをして、
アンモニア臭が酷いってものじゃないし。
さすがに異変に気が付いたのか紅先輩の部屋のドアが開いた。
「なんだ?もしかして機械部のお知らせ見てなかったのか?
” 新技術に不具合が発生したため紅の双璧はお休みします ” って
書いてあるはずだが?」
機械部のお知らせ?あー、 ?正式名称 ” 機械部直通チャット ”
通称 ” 紅ホットライン ” のことみたい。
学園のちょっとした機械のトラブルを報告して改善してくれる
サービスなんだけれど、
機械部ってさ皆自分の好きなことしかしないから学園の保守なんてしない。
だから実質紅先輩を呼び出すツールとして全員認識してる。
雑談の青チャット、
なんかおかしいと感じた時の黄色チャット、
緊急を要する赤チャットで構成されたシステム。
赤チャットに関してはイタズラ厳禁と校則で明記されている程度には
理性があるのかも?救急車みたいなものだし。
「じゃあオムツの件でイジメれた訳ではなくて、私達の勘違い?
お漏らししたのが複数人いたら犯人も紅さんに手を出さないと思って」
集団の誰かが今日あった出来事も追加で話すと紅先輩のツッコミが飛んだ。
「机の上にオムツってどんな学園なのだ!!!!!
あとお漏らししたのは赤子の体であってこの体ではない!!!!」
「・・・・・・・・・こうなったら!!!!!
全員で紅も道ずれにッ!!!!!!!」
数の暴力で先輩の部屋になだれ込んだ軍勢は先輩の足とかワキをくすぐって
お漏らしを促してるし。
やがて満足したのか全員が撤退していった、
残されたのはお漏らしした紅先輩のみ。
仲がいいのか悪いのか分からなくなってきた、
これが紅先輩がした偽善の成れの果て。
私が好きなのはこんな紅先輩じゃないから、
もっとかっこいい夢女子製造モードの目をしたあの姿。
画像編集ソフトでも整形でも何でもいいからずっとあの姿でいれば
こんな茶番劇しなくて済んだのにね。
” 本当にこれが紅先輩のなりたかった姿なのかな? ”
☆☆☆
ー # 嘘次回予告 ー
紅 「何だとっ!アレは!!黒いソウテンマル!!!」
かつての蒼転寺ランの愛機を駆るトキソウ・リーヴェ。
リーヴェ 「この機体はトキソウマル。
現代ナイズされた汎用機にして私が出せる最高到達点。
あなた達が知っている機体とは次元が違うわ」
リエ 「偽物がっ!!!コイツだけはリエが!!!
・・・・・・紅の双璧システム!!!フルアクティブ!!!」
ジエンド 「機械部副部長の必殺技、私でも返せるけど試しますか?」
リーヴェ 「これはビジネスの話よ?
装狂演譜の致命的な欠点、バトルのたびに破損する
ロボットホビーではライト層がついてこない。
デジタルキャラクターを動かすソシャゲライクなゲーム
装狂演譜リフレインを私は推薦するわ、伯爵ちゃん♪」
キキョウ 「今リーヴェ殿を撃てば彼女は二度とこの学園に近づかない、
そして紅の双璧モードの紅殿と戦えるのは今しかない。
主導権はジエンド殿にあるでござるよ?」
ジエンド 「そっか、これが紅先輩の強さなんだ」
??? 「私は偽物かもしれない・・・・
けど今は蒼転寺ランを演じ続けてみたいかなって」
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