RPGゲーム トキソウ・クエスト シリアス展開あり
第28話 Zカップの鼓動
ー #保健室 #夜 #スス伯爵視点 ー
キィヒヒのヒ~っ!!!!!ついにっ!ついに手に入れた!!!
これが私用に調整されたZカップの育乳ブラ!!!!!
ほんのちょっと発育に恵まれなかった私だけれど!!
あるべき私を顕現させるんですよ!!!
「喜んでくれたようで何より」げんなり
なぜかリーヴェ先生のテンションが沈んでいますね?
依頼料は渡したはずですが。
「カミングアウトするわ、実は私
「先生の場合はロリコンでしょうに」やれやれ
紅に園児服を着せてた時点でもう隠せませんよ?
「そうねぇ、多少の背伸びで日焼け止めやオールインワン化粧水を使うのは
いいのだけどその胸はねぇ」
「確かに違和感はありますよ?
大嫌いな大人がよくやる偽装を私がやるのですから。
画像はおろか、動画ですら自分の理想の顔や体格を補正できる時代です。
野〇センパイみたいな男の人でも美人になっている画像を見て
この世のすべてのネットで流れている人間に不信感を抱きましたよ」
「伯爵ちゃん、ここお嬢様学園だよね?」ドン引き
「こ、こほん!私はこの胸で行きます!!!
馬鹿にした全ての生徒に復讐を果たすんです!!!!
悪役令嬢が勝つハッピーエンドってやつを見せてやるってんですよ!
きーひひひひひひひ!!!!」
「あ、悪役の自覚はあったのね」引き気味
リーヴェ先生の姿は確認できませんが終始押されていますね。
「そういえばこんなニュースは知ってる?
” 画像加工した写真のみで学生生活を終えた生徒 ” ってやつ。
化粧みたいなある程度現実的な自分ではなく、
理想の自分の写真しかないの。
別にそれはそれで構わないけど、
果たしてそれはその生徒ちゃんなのかなって?
世の中にはいろんな人がいて悩みも様々だと思うの。
それをパソコンやスマホで脚色した理想郷で誤魔化したら
きっとそれは生徒ちゃんの思い出ではなくなる。
” 自分によく似た誰か ” の人生を見ているかのよう。
うーん、説教めいた感じになっちゃたけど伯爵ちゃんより長く生きた
私からのアドバイスと思ってね☆」
前世と地獄に落ちていた分で私の方が長生きだと思いますと
正論をかましたいのですが本質はそこではありませんね。
「・・・・・・言いたいことは分かります。
せっかくの学生時代に友人を騙して
自分の愉悦感を満たそうとした私に非がありますね。
ふぅ。
やっぱりこのデザインでいつも通りCカップの育乳ブラをお願いします。
長く過ごしてきた胸パッドはもはや私の人生ですので。
ちっぽけなプライドかもしれませんがこれも
” 私が歩んだ学園生活のカケラですので ” 」
「そうね。
化粧禁止という表向きな名目はある物の
大抵の生徒達は高校生メイクって言うバレにくい化粧法をしていたり、
スポーツの名門校で炭酸飲料禁止の部活の生徒も隠れて
コーラを飲んでいたわ。
100パーセントルール通りの学園生活を送る生徒なんていない。
いらないおせっかいだったわね。
学園生活は生徒の物、大人がとやかく言った所で
反骨精神で無下にされるもの」
「先生も学生だった時代もあったでしょうに」
「都合の悪いことは忘れちゃうのよ、大人って馬鹿だから」
なにか悲しくなりますね。
私達は部活動という名目で繋がっていますが
いずれ伯爵財閥の企業にバラバラに就職するでしょうし。
楽しかった思い出も、協力して乗り越えたイベントも忘れて、
疲弊し、蹂躙され、私の嫌いな大人へと ” 老いていく ”
多分先生の言いたかったことは、
どうせ嘘をついて生活の為にお金を稼ぐのが社会人なのだから
学生の内は自分を貫いて生きていこうってことだと思う。
それでも許せないことはある。
「まったく、騙されそうになりましたよ。
そういう先生も私達に姿すら見せていない。
化粧だの胸だの正論をかざして自分は逃げていますよね?」
とうとう言ってしまった。
正直後悔しています。
他言無用を条件にリーヴェ先生が認識疎外装置を解除して
私に素顔を見せました。
それからは静寂が続き・・・・・。
「私は文字通り宇宙を彷徨ったわ。
あらゆる星で延命してきた。
そしてここが最後の終着駅。
トキソウ・リーヴェの・・・・・・
呪われた血筋を断ち切る惑星。
大丈夫、伯爵ちゃん卒業までは寿命が持つと思うから」にっこり
寿命?この人は嘘をついている。
前世の私と同じ目をしている。
全てを諦め、自ら命を投げ出す。
そう、 ” じさ ”
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます