第27話 ロボット性の違い

 ー #保健室 #夜 #スス伯爵視点 ー



 今日も無事?に過ごすことができましたね。


 被害は窓ガラス10枚程度、

パソコン部の仮想通貨堀PCが高熱により爆発四散。


 海底火山の多発的噴火により海水気温が40度に達した世界で

精密機器に高負荷を与えるからですよ?




 ☆☆☆



 爆発の対策を練るため機械部のリエさん、キキョウ先輩、紅を保健室に招き

事情を探ります・・・・・・

というより比較的被害が少なかったお祝い会のようなものです。



 スス 「皆様お疲れ様です。校内修理費30万ユーリで済んだ今日に乾杯」


 リエ 「・・・・・・乾杯」ボソッ


キキョウ「乾杯でござる♪」


 紅  「いや窓ガラス割れてるのは異常だからな!!!!!」



 まぁそうなんですが、夏場は45℃で冬ですら30℃の世紀末世界において

エアコンを使用できない家庭は皆干からびてしまいましたし。


 狂人しかいないんですよ、この世界は。



 そんな過去は置いておいてペットボトルで乾杯を、

理由?コップ洗うの面倒じゃないですか、きひひひひ。



 「伯爵流石に夜ジュースは太るだろ」


 「うるさいですね紅、これは乳酸菌飲料ですので

腸内細菌が増えて脂肪と対消滅するので実質カロリーゼロなんです」



 「動画視聴者が信じたらどうするのだ?」げんなり

 


 「ぷふぁ!それよりも紅とかハボタンさんって熱対策どうしてるんです?」



 「話そらされたぞ!!!!!!」



 はぁまったく、紅は ” チートデイ ” という何を食べても大丈夫な日を

存じていないようですね。


 

 「紅とハボタンさんは設計思想が違うから。


 前者はキキョウが作った限りなくリエという人間を再現した人造人間、

エアコンとか水分補給で対応できる。


 後者は純粋な戦闘マシーンに手足が付いて

コミュニケーション機能を追加した生命体、

背中の巨大な送風機ファンで排熱する。


 戦闘が激しくなれば人間に近い紅が暑さでオーバーヒートする」



 「つまりどうあがいても紅はハボタンさんに勝てないと」


 

 「そういうこと、諦めてね紅」 

 



 リエさんが冷ややかな態度で説明しましたがちょっと紅が可哀そうですね。




 「なぁ何か俺にもパワーアップ機能とかないのか?

製作者のキキョウならハボタンの設計思想を取り入れて強化できるだろ?」



 「この世界では不可能でござるなぁ。


 運動部が特殊なだけで炎天下で脳がまともに機能していない、

もっとわかりやすく言えば

 ” 全員ボケ側 ” になってしまうから

生粋のツッコミ属性である紅殿は集中できず

紅の双璧システムをフル稼働できないでござる」



 「そのシステムって ” ゾーン ” とか ” ランナーズハイ ” ?

ボケ自体が紅への精神攻撃デバフになるんですか」引き気味



 紅の戦闘に波があるのはこのためでしたか。


 水鉄砲戦では私の攻撃が当たるほど疲弊していましたし。



 「方法ならあるでござるよ?


 1つは紅殿が強い精神力を持つこと、

そしてもう1つは ” 拙者のペットとなって脳のリミッターを外す ”

ことでござる」



 「キキョウのペットになる気はないがリミッター解放は興味深いな」



 「ただし紅殿の意識を残したまま拙者の操り人形になる、

例えば ” リエ殿の首を締めろ ” と命令されたらどうするでござる?」 

 


 キキョウ先輩がスマホを横向きに持ったかと思えば

その命令通りに紅がリエさんの首を絞めていきましたね。



 「やめろ!!!!俺はこんなことの為にリエと生きて来たわけじゃない!


 キキョウ!もうやめろ!!!!」



 紅の断末魔のような悲鳴が保健室を包み込んでいきました。


 いや私も止めようとしたんですよ?


 ただキキョウ先輩の狂気がこの場を支配しているため動けなかったんです、

おしっこ洩れちゃいそうなくらい怖いんですよ。



 リエさんが苦悶の表情を浮かべ、やがて変化が訪れます。



 「くれにゃい♡ もっとぉ♡」



 スス・紅・キキョウ 「へ?」



 あの・・・・・クールビューティ系のリエさんがドMだったことは

私にカルチャーショックを与えました。


 というか付き添いの長いキキョウ先輩もスマホ落としてますし。



 体の支配を取り戻した紅がリエさんの体調を気遣うも

さらに首絞めを要求。



 確かに首絞めや腹パンは脳に酸素が送られず

気持ちいいといった感想を出す方もいるそうですがね。



 とにかく矯正集中状態の紅が自我を取り戻した事には変わらない。


 いえ、心配すべきはリエさんでしょうか。



 ただキキョウ先輩曰く、 

” リエ殿は自分を思い出しただけでござる ” と、自分を?


 まるで何者かに感情を上書きされたかのような発言をしていました。



 後日リエさんはフリーハグならぬフリー首絞められをして

色々と問題になりかけていましたがそれはそれということで。



 説明を放棄することで私もボケ側に行きますので、頑張ってください紅。



 きひひひひひひひひひひひひひひひひひ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る