第25話 スス「今更世界観とか語っちゃうんですか?」 超法規的企業群 百合の鳥島
ー #保健室 #夕方 #スス伯爵視点 ー
なんやかんやスパイではないと証明された黒雪・スノーフレークさん。
今日もスマホを介したオンライン会議を実施中です。
「余は気に入ったぞ、百合の鳥島。
百合リスの次に愛すべき母国となったです」
「それはどうも」
出会いは私がゲームやりたい欲が爆発して
焼きそばをぶちまけた物でしたが軌道修正は順調なようです。
ー #家の事情 ー
「ところでこの国の建物は皆コンテナのようなものです。
理由を聞きたいです」
「あー、単純に値段が安いんですよ。
家に5000万や6000万とか馬鹿らしいじゃないですか。
ましてや海風に当たって劣化していく固定資産などナンセンス。
3Ⅾプリンターで家が建つ時代ですしこの百合の鳥島自体
” 移動 ” できますので台風から逃げることができますし」
「国が固定されていると猛暑や氷点下に耐える燃料費もかかるです」
「そういうことです、
それにコンテナがサビてきたら買い替えればいいですし。
お金に物を言わせて優秀な人材を引き抜いたので
給料で払える資金は各人持っているはずです」
まあ屋根とか装飾とかコンテナを連結させて広い部屋を求める方々もいますが
その程度の自由は許容範囲ですね。
ー #税金 ー
「ところで伯爵、この国は税金がクソ安いですがカラクリは何です?」
「例えば新規事業をしたいという依頼があったとします、
私や役員の審査が通った場合、利子を付けて毎月分割でお金をいただきます。
そして私達が投資した額を払い終えたら毎月の支払いを減額します」
「それでは国に入る予算が少なくなるのでは?」
「別に税金で食っていこうとは思っていませんので。
私が社長である限り百合の鳥島自体が
” 家 ” みたいなものです。
家具を取りそろえるのと同じ感覚で島の生活をよくするんですよ、
現に社長業の利益は全額島の企業誘致に使用しています。
ちなみに私が普段学園で使っているのは錬金術部の魚の養殖で得た金額、
なので成金じみた事はしませんし、する意味がない」
「労働者を逃がさない為です?」
「ええ、私を含めて今を生きる人間は
資本主義よりマシな政策を出せていません。
ならば資本主義を持って資本主義を制すというべきか
血統で固定化された階級社会を技術者集団が打ち勝つ
下剋上の精神で運営しています」
「は、反骨精神の塊です」引き気味
ー #交通網 ー
「この国は自家用車が1台もないがどうなってるです?」
「この島には3つの環状線、あー3つの異なる大きさの円をグルグル回る
電車が存在しています。
それを中心に街を作っています。
百合の鳥島の初期は護岸工事こそされていた物のほぼ更地の状態。
だから街づくりゲームを参考に効率の良い移動方法を確立したんです。
ゲームのキャラクターってすぐ車乗りたがるんですよ、
わざわざ公共事業で地下鉄とか作ったのに
渋滞を作りぃ!!物流の足を止めてぇ!!そのうえでまた渋滞ですよ!!!
渋滞!渋滞!!!渋滞!!!全員公共機関乗れってんですよ!」はぁはぁ
「渋滞に親でも刺されたです?」
ー #他国に攻撃されない理由 ー
「この国は何故攻撃されないです?」
「理由は様々ですね。
まずお金のチカラで各国の優秀な技術者を集めた国ですので
人命が失われれば世界自体の発展レベルが落ちてしまう事。
そして私自身が霊界というか死者の国に行けるんです、
各国の要人も血が流れる人間ですので家族や友人の遺伝子を
採取し疑似的に死人を人体錬成で蘇生させられます。
それで要人とコネを作り和平に尽くしています。
最後にこれは偶然ですが、電気水道インターネット回線を
高圧縮高効率で送ることのできる技術を持った
機械部副部長 蒼転寺リエ氏を引き抜けたこと。
知っての通り500年先の技術と称される頭脳と
彼女と紅のみが解読できるとされる
秘匿性も合わさり世界のインフラは
彼女たちが作っていると言っても過言ではありません」
「でも余が核ミ〇イルのボタン見せた時怖がってたです」
「もし発射されてたら百合リスが各国から集中砲火受けてましたよ、
無料Wi-Fiの設立というインフラはいわば人質と言っていい。
百合の鳥島に敵対すればWi-Fiを止められますので」
「余もそうですが無料Wi-Fiなくなったら暴動が起きそうです」
ほんとこの世界の住人ってネット依存が強いですから。
だからこそテレワーク主導の百合の鳥島は成功したんですかねぇ?
私にも分かりませんよ、きひひひひ。
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