第24話 トイレのニオイで暴動寸前


 ー #保健室 #夜 #スス伯爵視点 ー



 本来紅との連絡はスマホを介してのテレワーク的な業務が多い、

しかしハッキングを嫌って物理的に話すことが多くなった。


 そう、デリケートな話題ですので。



 「最近お手洗いの悪臭が酷いとの報告を受けています。


 幸い使用後に流す生徒が多くて助かっていますが、

下手をすれば公衆お手洗い場よりひどい有様になりそうです」



 「おい、ちょっと待ってくれ。


 その文面だと ” 流さない諸君ら ” もいるという事か?」ドン引き



 「ええ、残念ながら」ドン引き



 人払いした保健室でお通夜ムードで話す私と紅。


 リエさんが改造したセンサー付きウォシュレットのおかげで

最悪の事態は避けれていますがね。



 「ここお嬢様学校ですので窓は極力きょくりょく開けたくないんです。


 私の母親しかり、リーヴェ先生しかり防犯の観点から・・・・・・ね」



 「その名は出さないでくれ。とりあえず換気扇はどうしてる?」



 「人体感知センサーでライトと同期させてますね」



 「それじゃダメだな。24時間、せめて消灯時間まで換気扇は回すべきだ。


 いくら洗い流されているとはいえ、出て来た水を飲みたいか?」



 「嫌ですね」


 

 「そう、完全には奇麗になっていない水なのだ。


 放っておけば匂いの原因になる。


 ちなみに花粉や湿気も除去できるから換気は重要だ。


 いくらエネルギーの価格が高騰してるからと言って

高い空気清浄機を買う必要性はない」腕組みー




 「全部のお手洗いに空気清浄機は無理だけれど

換気扇は採用させてもらいます。


 あとは芳香剤だけれど・・・・・・できれば置かない方向性で」



 「変なところで節約志向だな伯爵。


 個人用のトイレなら ” 置いておくだけの洗剤 ” は有効だが

全部には置けまい。


 そうだなニオイを抑えるという点で別の場所、

下駄箱に芳香剤を置くのはどうだ?


 それならコストを抑えつつ不快な時間を減らせる」





 そういった瞬間うめき声が聞こえてきました。



 ・・・・・・ええ、フラグが回収されました、

リーヴェ先生が現れやがりましたよ!!!!!!





 「下駄箱は勘弁してくれない?


 あっ、勘弁して?」



 「別に俺の名前が紅だからと言い直さなくていいぞリーヴェよ」やれやれ



 「そうねぇ、認識疎外装置を利用してトイレや靴の ” かほり ” を

堪能していたけれどやっぱり気になる年頃なのねぇ~」



 紅・スス 「気になるに決まっておろうが!!!!!!」



 「安心して頂戴!!!!かほり培養装置で

全生徒のサンプリングは取ってあるから!!!!!


 確かアオイちゃんとリエちゃんのデータはこの辺に」ガサゴソ



 リーヴェ先生がテーブルに置いた瞬間

それがスマホだったのかと認識出来ましたが、

ほうこれが令和最新版アオイのデータ。 


 ドキドキが止まりませんねぇ!!!!!!!!!




 「随分と姑息な真似をしているなリーヴェよ。


 まったく情けない、俺の知ってる少女なら直接交渉しているはずだ」



 「こほん、紅ちゃんの靴を嗅がせて下さい!!!!!!」



 「今回だけだぞ!!!!!!!」



 どうしよう、私アウェーですね。



 ☆☆☆



 ー #数日後 ー



 リーヴェ先生が他の生徒の靴を嗅がなくなったのはいいのですが

紅の上履きが犠牲になっている模様。


 何かに理由を付けて頼むリーヴェ先生と毎度許す紅。



 結局芳香剤ではなく備長炭タイプのニオイ吸収材を使うことが

リーヴェ先生の発案で採用されました。



 お手洗いはおそらくリーヴェ先生が大量に放出した ” よだれ ” が

原因ではないかと推測しました。



 これで衣服系ブランド ” トキソウ・コンツェルン ” の

最高責任者でなければ何かしらの処分を渡すつもりでしたが、

紅がまんざらでもなさそうなので保留とします。



 まったくツンデレですねぇ。きひひひひ。

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