第11話「圧倒的な暴力」

 特訓をするにあたり、トオルさんと戦うことになった。しかしトオルさんは魔法が使えない。圧倒的に俺が有利なはずだ。ならば予測眼で…って居ない?

「後ろだ」

俺はすぐ振り向こうとしたがその前に遠くに飛ばされた。

「あんた…魔法使えないんじゃなかったのか?」

「あぁ、ただ殴っただけだ。」

ただの殴りで炎が発生するわけねぇだろ。何てパワーだ。予測眼でも捉えられないスピード、1発ダウンのパワー…圧倒的すぎる。この人でも倒せない存在っていったい。

「戦闘中に戦闘以外のことを考えるなんて…お仕置きだな」

クソッ、強い、強すぎる。俺は咄嗟に腕を出したが腕が折れた。

「防御に反応できても破壊されたら意味がないんだよ?」

「んなこと知ってるよ」

腕を変形させ無理やり治す。痛みが全くひかねぇけど。エネルギー砲を放った。一時的に戦闘機になりトオルさんと距離を取る。少し離れたところで…飛んでる?!

「そりゃ未来の戦闘機か?」

「あんたいつの時代の人間だよ!」

「大正末期」

「なに?令和より2個前の時代?」

「そんなことより先頭に集中だ!」

やばいジェットの部分が叩かれた。墜落する前にロボットに戻る!

「何で大正の人間がロボットなんて知ってるんだよ!」

「別の転生者。ヒロサダという人に聞いた。」

ヒロサダと言えば俺の親父。確かに過去に交通事故で死んでしまったが。

「苗字は何だった?」 

「君と同じ堺だ」

「それ…俺の親父だよ。今親父はどこにいる?!」

トオルさんは気の毒そうな顔をして言う。

「もう2000年以上前に死んでるよ。」

そっか…よく考えればもう2000年も前に転生してるんだよなぁ。生きてるわけないよな。

「どんな最期だった?」

「身を呈してクラロイを封印したよ」

「そうか」

「それじゃ早速スキル画面をみてみよう。闇魔法のとこに重力操作が加わったはずだ。それから炎を受けて炎攻撃などが効かなくなってるはずだ。後もう熱くないだろ?そゆことだ。あと紫外線無効はこうした方が早いかな。」

トオルさんは一瞬で俺をぶん投げ、俺は大気圏突破。宇宙線に焼かれたがすぐに紫外線無効を取得した。そしてまた戻ってきた。

「あとはこの状態で毎日訓練だな!」

俺はこの夏休み乗り切れるか、分からない。

 


            次回「デストロイ」

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