第10話「夏休み」

 本大会が終わり夏休みになると、トオルさんに呼び出された。なぜだろう。詳しいことは山の奥で待っているトオルさんに聞こう。


ーーー山奥

「よく来たね、サカイくん」

「トオルさん…呼び出して何のようですか?」

「まぁ付いて来い」

トオルさんの言う通りについていく、そこには山の上に聳え立つ街があった、しかし荒廃しており住民はいないようだ。

「何ですかここ」

「4000年前の都市、マッツパッツだ」

「なにそのマチュピチュみたいな名前…4000年前って、この世界の歴史が始まったのはせいぜい千年前だぞ!何であんたが4000年前の都市を知ってるんだ!人間は一回滅びたのか!」

「俺は8000年前からこの世界に居る。そして俺が知る限りこの世界の文明は2回終わっている。そのうちの一回は俺がやった。世界に来てすぐに一回。その後2000年後、封印を解き出てきた。千年間普通に暮らしていたが千年過ごし奴が現れた。」

「奴って何!?」

「クラロイ、世界の脅威となる、時空の覇者だ。俺とフェンリル、バハムート、不死鳥、当時の人間たちと4000年間戦い一時的に力を衰えさせ封印した。しかしその時この要塞都市で生き残ってるのは我々だけだった…」

「そのクラロイがどうしたんだよ」

「もしかしたらもうすぐで封印が解ける」

「はぁ?!」

「だからここで俺と鍛える。そして次こそクラロイを討つ。」

「ったく、それにしてもお前はこのフォルムを見ても驚かないんだな、過去に俺みたいなのが居たか?」

「いや、だが俺が自分で過去に他の人間をクラロイの下部と戦えるはどの戦力にするため汎用搭乗型機械アーマーを使った。それがこれだ」

トオルさんが地下から何かを引き上げた。そこには俺とは少し違う。ロボットがあった。

「最初お前を見た時、過去のパイロットの魂が併合して自立しているのかと思った。」

「不躾な質問していいか?」

「いいだろう」

「あんた、転生者だろ」

「よく分かったね、では単刀直入に言う。お前に俺の理論上可能な最強の技を伝授する」

「理論上可能ってことはトオルさんは使えないのか?」

「俺は魔法が使えないからな。それに自分自身にも危険が及ぶ。」

「どんな技だよ!」

「自分の拳と共に核爆発を起こす、デストロイ、簡単に言うと、物質創造の魔法で、プルトニウムを生成しそこに中性子をぶつけ原子核を二つにわけ、核爆発を起こしながらぶん殴る。爆発の熱、衝撃、突風、それから放射線の影響で敵を確実に討ち取れる技、だから炎無効、熱感遮断、重力操作、衝撃吸収、そして一番大事なのは、日焼け止めの最終形態放射線無効だ。」

「そんなスキルあるの?!」

「ある。ないなら作るだけだ。そしてここで俺に勝てるくらいの体術は身につけてもらう。」

こうして、僕の夏休みはクラロイ討伐のための特訓週間となるのであった。



           次回「圧倒的な暴力」

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