第6話「新たな友」

 謎の先輩こと、タルマを倒して分かったことがある。この学校には強さで序列が決まるという方式らしく、彼女は序列5位。しかし俺がその先輩を倒したことにより俺が5位となった。しかしそんなことはどうでもいい。それよりも、魔王というのがいまだによく分からない。ゲームなどでは同じ魔族であることが殆どだが、この世界の魔王は突然現れるらしい。

「おい!そこのお前、新しい序列5位冷酷か?」

冷酷?俺の名前はサカイだが、もしかしてコードネーム的なものだろうか。しかし今は考え事をしている。しかし何を考えてたっけ?

「俺?」

「お前以外誰がいる」

「で?何のよう?考え事してたんだけど」

「俺はこの学校の序列4位狩人だ」

「は?その名札にはトマックって書いてあるように見えるのですが」

「そうか、お前は序列についてあまり知らないようだな、序列8位以上になると別名が付く。その別名はいままでの試合風景などで決まる。お前は冷酷無慈悲にも降参してる相手を殴り続けた。だからお前の別名は冷酷。ちなみに前5位のタルマはならず者って別名が付いてた。」

「へーもう行っていいですか?」

「もう少し興味を持てぇい!」

「で?なんすか?」

「お前相当強いらしいな?そこでだ、俺の派閥に入れ。」

「嫌だよ、不良とか興味ないし」

「不良じゃねぇ!俺だって勉学は優秀だ!お前と同じSクラス!忘れたのか?この学校は実力主義でもあるんだ。実力を示すのの何が悪い!」

「あーなるほど。でも群れると弱そうじゃないですか。僕1人で大丈夫っす」

「ほう?それは俺が弱いって意味か?」

「序列4位なら強いんじゃないですか?」

「まぁいい!俺はお前を力づくで入れる!もし負けたらお前、俺の奴隷な?」

奴隷とか本当に前世を思い出す。いつもいじめられてたからな。それに奴隷とか本当に嫌いだ。どうしてこうもこの世界の人間は俺を怒らせたいんだ。

「分かりましたよ。」

こうして結局決闘することになった。しかも相手は複数人。


ーーー決闘場

「まさかあなた1人で戦う気?あの三人全員序列8位以内よ、トマックは4位、それにあの2人も7位と、8位よ」

「へぇ、興味ない。全員殺す気でやる」

「あーもう!」

「何してんの?」

「一緒に戦うの!」

「あっそ、邪魔だけはするなよ」

「始め!」

俺はトマックの両サイドにいるモブを場外へ吹っ飛ばしトムマックを持ち上げた。

「お前のあの言葉、もしかして勝手に奴隷とか作ってんの?」

その瞬間観客の何人かが何かに反応した。

「だったら何だ?」

「解放しろ、命だけは助けてやる。お前は知らないだろうけどなぁ、そいつらだって人間だ」

「は!よくいうぜ、人間でもねぇクズが!」

どうやらこの世界の人間は人間以外をクズだと思ってやがる。ならばその腐った奴らは浄化しないとな。

「そうか、お前もタルマみたいに…いやそれ以上だな、喋る間も与えないからな」

俺は地面に押し付け引きずった。その瞬間だけで床は血だらけになった。俺はトマックを思い切り上空に投げ、両手で叩き落とした。そこに足から着地する。

「今のはお前の奴隷たちの分」

俺は手を機関銃(ゴム弾)に変形させ、オーバーヒートするまで集中砲火。しかしトマックは体から煙を出した。おそらくこれが狩人と呼ばれる由縁だろう。俺は腰から上を凄まじい回転力で回し、霧を晴らした。トマックが俺目掛けて弓を放つ。俺はそれを取りやつに向かい投げ返した。そして土魔法で岩をぶん投げだ。

「これは俺を馬鹿にした分だ」

トマックは医務室へ緊急搬送。

「あなた…強いわね」

「居たんだ」

「何よ!貴方」

「序列4位冷酷こと、サカイだ」

「ふーん私は序列2位淑女、ノルン」

「へー、じゃあね」

「待って!」

「何?」

「あなたの考え事に少し付き合ってあげる」

そりゃありがたいので普通にオッケーした。

「で?何について考えてたの?」

「勇者の敵、魔王は勇者以外は倒せないのかっていうのと、魔王って何なのかってこと」

「魔王は世界を滅ぼしかねない力を持ちそれを我が者としてだけ振るう者。逆に皆を守るために振り翳すものを勇者というわ。それから魔王は勇者以外倒した例がないの」

「へぇそうなのかぁありがとう」

「あなた少し勉強教えてあげようか?」

俺はノルンと一緒にいて気づいたことがある。意外と楽しい。まぁなんかよく分からないうちに序列4位になるし、なんか気難しそうな人は慣れ親しやすいし。人ってよくわかんねぇ。



             次回「初テスト」

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