第一話 きみとの出会い

僕、黒田悠は無事志望校に受かり、高校生になった。

今日は入学式。緊張して早く家を出てしまった。

こんなに不安になるのは僕だけなのかな。

通学路でも考え事をしてしまう。

(これからの3年間、無事に馴染めるだろうか、

この退屈な人生に花が咲くのだろうか、)そんな事を考えながら、少し早く高校に着いてしまった。

門を通り抜けると、看板にはクラス分けの表が貼られてあり、どうやら僕は6組らしい。


僕の高校、清廉高校について少し説明しよう。

清廉高校は、いわゆる普通の高校(少し頭いい方)だが、生徒の自主性が重んじられており、イベント事はとても有名だ。


ようやく教室の前に着き、誰もいないだろう。そう思い、ドアを開けると、そこには一人、窓の向こうの桜を見ている長髪で、綺麗の中に可愛らしさが垣間見える横顔をしている女の子がいた。彼女を見て僕の心は春のそよ風に持ち上げられたかのような感覚に落ちた。

彼女は教室のドアが開いた音に少し遅れて反応し、こちらを見て、

「こんにちは」


「こ、こんにちは」

少し間が空いてしまい、変な感じになってしまったが彼女は僕に微笑んだ。これが、僕ときみとの最初の出会いだった。


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