第14話「正しいのか間違いなのか」

 Side 南雲 浩一


=昼・イスズ学園・文芸部、部室=


 前回のあらすじ。

 学園内にある墓地で文芸部員のお墓参りしてたら、強引にキスされてキリノとリリに拉致られた。

 


「そのえーと、つまり、セッ●スしましょう!!」

 

「顔を真っ赤にして目をグルグルさせながら大声でなんつー事言うんだ!?」


 部室にキリノとリリに連行されるや否や、いきなりのこの発言である。


「浩一の言う通りよ、リリ。だけど満更でもないわね」


「あーリリさん。アナタもそれでいいの?」


 顔を真っ赤にしつつ素っ気ない態度を保ちながら、さり気にとんでもない事を言うリリ。

 なんだこの状況。


「キリノはあんな感じだから私たちも本音で話すわね――」


 と、前置きしてリリはこう続けた。


「手短な男に走ったと思われても仕方ないようだけど……私達だって学園の人間なの。もう遠い昔のような話だけど、私も普通の女子高生だったの。だけどある日突然こんな状況下に放り込まれて――色々と限界なのよ、私もキリノも」


「……」


 それを言われると何も言えなかった。

 少し考えてみればわかる事だ。


 キリノとリリも日常もあっただろう。

 家族がいただろう。

 友人がいただろう。

 そして大の大人でも音を上げるような戦場に放り込まれたのだ。

 マトモでいられる方が異常なのだ。


 明日死ぬかも知れない。

 

 そう考えたら――性に走る人間の方がマトモだろう。


 そこに男子も女子も関係なかったと言う話だ。


「私もキリノも構わないわ。いっそ3人でもいいわよ」


 と、リリが涙目になって、顔を真っ赤にしながら言った。


「私もです――私も、浩一さんとなら――」


 落ち着いたキリノも顔を真っ赤にして笑みを浮かべてそういう。

 此方も涙を少し零しているのは反則だと思う。


 その問いに俺は――



 この後、どうしたか、どうなったかはご想像にお任せする。


 ただ言えることはある。


 間違いと思われることが、時として正しい事になる時がある。


 そう言う時はあるのだと俺は思い知らされた。


 そして自分は今、幸せなのだと思う。


 一生女の子に縁のなさそうな自分を大切に思ってくれる人が二人も出来た。


 同時に生き残りたいと強く思った。


 この狂った戦争、戦場を。


 

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少年少女のパワーローダー戦記・リメイク MrR @mrr

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