KAC20232 “ぬいぐるみ”🧸
◇ “ぬいぐるみ” と 大人の✖✖✖ ◇
“ぬいぐるみ”
その言葉を聞くと、猫田さん家の孫娘を思いだしますな。
あやかし本屋の向かい側には、おもちゃ屋の『ポン基地』がありましてな。
たいそう 儲かっておるそうです。
なんでも水の中に5分と浸けておけば、3倍にも膨れ上がる『あれのぬいぐるみ』があるそうで、いつも若い女性に人気だとおっしゃっておりました。
そりゃあ、喜んでおりましたよ。
◇
「ナベさん。聞いたかあ?」
「何をですか?」
猫田さん家の執事の山田さんが、
美羽さんという「
「整腸剤が、不老不死の薬やぁ、言うことがじゃ」
「おや? 猫田さんでも長寿を
日本の頂点に立って、
もう思い残すことはない とおっしゃっていた方でも、
やはり孫娘の成長を最後まで見届けたいと思ってしまうものなのでしょうか。
さらに長生きを望んでしまうのではないでしょうな。
そんな『欲』が生まれてしまうのだから、
人間は 死ぬことを 拒んでしまうのでしょうな。
「わしゃ、えぇんじゃ。
わしみたいな悪党は、
そいじゃが、娘らは違うと思とるんじゃ……」
「随分、しんみりと なさりますなぁ」
どうやら、訳ありのようですな。
「こん
最近、5㌔も太った
「ハァ?」 ――はて? なんの話しでしたっけ。
「ほいでじゃ。もう死んでしまうんと違うやろか、言い始めての。
よう泣いとる 言うんじゃ」
「そうなんですかぁ」
吾人は目をそらして、玉やんさんに助けを求めてみた。
【おすすめは コレ!】
・新ビオフェルミンS錠
・強ミヤリサン錠
・ビオスリーHi錠
というパネルを見せてきて、何が何やら? といった感じですわ。
困り果ててた吾人は、中原理恵さんの『東京ららばい』を口ずさみました。
――幸せがみえない♪
◇
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