【和風F】平安ファンタジー書くなら、この2冊

2024年大河ドラマ「光る君へ」。

面白いですねえ!

視聴率はそれほどでもないようですが、放映直後のX(旧Twitter)の書き込みがアツイです。


これをきっかけに平安ファンタジー小説を書いてみようとお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。


平安時代に限らず、歴史というのは為政者の起こした事件に記述が偏りがちです。

それを題材にした歴史・時代小説を書くなら参考になるでしょうけれども、平安要素を取り入れたファンタジー小説を書くのに、もっと知りたいのは身の回りのもの・こと。


その中でも特に「これ、平安ファンタジー小説書くのに役に立つんじゃないか」と思ったのが以下の2点。


・『平安 ものことひと事典』2024 朝日新聞出版(※1)

・『牛車で行こう!』2017 吉川弘文館(※2)


『平安 ものことひと事典』は、「光る君へ」とか、あるいは『あさきゆめみし』などの視覚メディアを通じてイメージする「ああ、アレ、なんだっけ?」という問いにサクサク応えてくれる本です。


広く浅く、という感じですが、とりあえず「アレ」はなんと呼ぶものなのかが分かります。

必要であれば、そこから調べ物がスタ―トできますし、とっかかりとしてとても役に立つ本です。


大学に所属する研究者ではありませんが、X(旧Twitter)でのご活動をみていると良心的な書き手様だと思います。

アカデミックな集まりに呼ばれることもおありなようで、準研究者と考えても差し支えないかと。


・『牛車で行こう!』の書き手様は大学の先生です。

関西で大学院生でいらした頃に、日本史関係の集まりでお見かけしたことありますw

 

こちらもタイトル通り、柔らかい印象のものですが。

やはり大学の先生らしく、一つ一つの描写に出典がきちんと示されています。


ここで登場するのは、やっぱり藤原実資『小右記』


「光る君へ」でロバート秋山さんが演じているアノ人ですw

自邸で朝廷に対する不平不満をこぼすたびに、奥方から「日記に書けばいいじゃないですか」と突っ込まれていますが、この彼の日記が『小右記』。

平安時代を知るうえで第一級の資料です。


『牛車で行こう!』では、「平安京大内裏内はには、原則として牛車がはいることができない」ので(54頁)、実資が牛車から降りて大内裏内をうろうろしていた様子が考察されています。


 このように「牛車を使う場面」だけでなく、逆に「牛車を使わない場面」(徒歩、騎馬)についてもこの本は触れられており、平安貴族達の日常生活が幅広くわかる本です。


どちらも平安ファンタジー小説の参考になる良書です。

皆さまも、今年は平安ファンタジー、書いてみられませんか?


*****

『平安 ものことひと事典』 朝日新聞出版社https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=24614


『牛車で行こう!』

https://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b10041298.html

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