『セクシー田中さん』を返して欲しいです……。
この一週間、鷲生は『セクシー田中さん』ショックで、こちらの日記もご無沙汰しておりました。
以下は、原作者様の訃報を知ったときに感情のままに書いた文章……から少し感情的になりすぎた所を削除したものです。
ちょっと意味が通りにくいところがありましたらスミマセン。
以下に書いたように、鷲生は『セクシー田中さん』原作漫画のファンでした。
こんなことになって本当に哀しいです……。
*****
鷲生は前から漫画『セクシー田中さん』のファンで、買いそろえておりましたし、続きも楽しみにしていました。
ところが、原作者の先生がお亡くなりになられてしまって……。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
この『セクシー田中さん』のテレビドラマ化は上手く言ってなかったと聞いています。
ドラマ脚本家が自分のインスタグラムで、最終2話を原作者様が脚本を書くことへの不快感をにじませるような投稿をしていました。
この脚本家が「原作クラッシャー」ではないかとネットがざわついた後、原作者様がX(旧Twitter)などで経緯を明らかにされ、それを削除してからお亡くなりになりました。
この訃報を聞いた時、鷲生は鷲生の個人的な事情で悔しく感じました。
鷲生は身の程知らずにも拙作を公募に出そうと目論んでおり、先週末は、「この賞に応募してみようかな」と思った賞の過去の受賞作品を読んでいたのです。
その作品。さすが受賞されただけあって、とても文章がお上手です。
ただ……、結論から言えば鷲生のツボにはまるストーリーではなくて。
小説講座で研鑽を積まれた方だそうで、そういう努力を重ねられた上手さはよーくわかるのですが。感心はしても感動はできず……。
この作品に限らず、鷲生の探し方が下手なのか、若い頃ほど自分の心に刺さる作品との出会いが減ってきたような気がしています。
もちろんこの世は鷲生を中心に回っているわけでもないし、鷲生の感性がイマドキから外れてしまっているからかもしれません。
ともあれ。
鷲生はこの週末わりと寂しい気持ちで過ごしていたのです。
このように「面白いと思える創作物」との出会いが減ってしまったと感じる鷲生にとって、「私が求めているのはこれだ!」と楽しめる作品はとっても大切なものです。
その一つが『セクシー田中さん』でした。
『セクシー田中さん』で芦原妃名子さんの存在を知り、『Piece』『Bread & Butter』も全巻買い揃えました。
芦原先生の描く作品では、「女性の生きづらさ」がとても丁寧に描かれていると思ってきました。
「フェミニズム」ってほど大上段に構えてしまうと取りこぼしてしまいそうな、そして伝えきれなさそうな現実の複雑さを複雑さのままで描き出していらっしゃったと思います。
「女性の生きづらさ」だけじゃなくて、それと表裏の「男性の生きづらさ」であり、「○歳ならこう振る舞うべき」「○○という属性ならこうであるべき」という、世の中の普遍的な息苦しさも描いていらっしゃった。
社会の皆がうすうす感じている「しんどさ」が、芦名先生の作品では上手く可視化されていて……。こういうメッセージがエンタメ作品を通じて社会に行き渡れば、少しずつ社会もいい方向に変わっていくのかも。『セクシー田中さん』という作品の存在に、鷲生はそんな明るい希望も感じていました。
鷲生の感性は今どきの世間に通用しないものなのかも……と落ち込んでいても、「鷲生に才能があったらこんな作品をものにしてみたかった!」と思えるような作品が世の中できちんと評価されているのを見ていれば、だいぶ心は慰められていたんです。
鷲生が書きたかったものを、代わりに表現して下さる方がちゃんといるんだ! そしてそれはちゃんと社会に受け入れられているんだ!って……。
「テレビドラマになる」と聞いた時には、「わりと社会的なメッセージのある作品なのに、テレビドラマにおさめられるのかな?」を鷲生は思ったものです。
テレビドラマ化が上手くいったケースもあるかと思いますが、そちらの方が例外で、たいていは浅くなってしまうというのが鷲生のテレビドラマ化の印象です。
こんなことになるなら、テレビドラマ化なんてなかったらよかったのに……。
鷲生は鷲生のために、鷲生の好きだった『セクシー田中さん』が絶筆となったことに憤りを感じています。
本当にこの件は残念でなりません。
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