大学図書館に資料本見に行って来ました。
鷲生は次回作のためにせっせと資料本を探し出して読んでおります。
平安ファンタジーの予定ですが、その物語世界では、東国に善政をしいたキャラがいることになっています。
手元に『平安時代天皇列伝』(※1)という本があり、その中の陽成天皇の章の元慶の乱について、中央から派遣された藤原保則らが「武力による対峙ではなく、蝦夷や俘囚と向き合い、その要望を聞き入れながら、交渉を進め」とあります。
この藤原保則は「武人ではなく、むしろ地方官として各地で善政をしいた良吏」だそうです。
この『平安時代天皇列伝』では章ごとに参考文献が挙げられており、ここに『秋田城と元慶の乱 : 外からの視点でみる古代秋田の歴史』(※2)という本が上がっていました。
この本を読めば、鷲生のキャラ設定やエピソードに役立つかもしれない、と思ったのですが……。
ところが。
この本は京都府立図書館にも京都市立図書館にもありません。
カーリル(※3)で調べて見ると鷲生の母校の大学図書館で閲覧できると分かりました。
鷲生はこの図書館の卒業生カードを作っており、閲覧だけならできます(借り出すことはできません)。
あと何日かすると、学生さんの試験期間にかさなるせいか、卒業生を含む学外者は利用ができなくなるので、今日、足を運んで読みに行ってきました。
結果から言いますと。
この『秋田城と元慶の乱 』は、8世紀の秋田城に出羽国の国府が置かれていたかどうかをめぐる学術論争(※4)の一方の当事者の先生がお書きになったもので、大変熱がこもった、一次史料の読解からきちっと論じている純粋な学術書でした。
上記の「東国での善政ってどんなの?」というイメージを掴もうとする鷲生としては、ちょっと狙いから外れた内容でした……(1,2時間程度ざっと見ただけなので、丹念に読めば何か手掛かりがあるかもしれません)。
じゃあ、大学図書館に行ったのが全くの無駄だったかというと……。
そんなことはなくて、収穫もありました。
『秋田城と元慶の乱』があるのと同じ本棚に、『古代の東国①坂東の成立: 飛鳥・奈良時代 』『古代の東国②覚醒する〈関東〉: 平安時代 』という本があったのです(※5)。
鷲生はそもそも京都より東の地方の古代史に全然詳しくないので、まずはこれを読んでみようと思います。
この本に、中央政府との摩擦だけでなく、中央の王権と協調していた面も描かれていると、鷲生の欲しいイメージが得られて助かるのですが(鷲生が描こうとしているのはあくまでファンタジー小説ですので、史実としての東北や関東の自立性を否定するものではありません)。
この『古代の東国』①②については、市立図書館にあるので早速予約を入れておきました。届くのが楽しみです。
あ、さっきBSで大河ドラマ「光る君へ」見ました。
平安時代がビジュアルで見られる&王朝の種々の争いの予感&主人公に降りかかった大事件。
これも続きが楽しみです!
*****
※1 『平安時代天皇列伝』2023 戎光祥出版
https://www.ebisukosyo.co.jp/item/703/
※2 秋田城と元慶の乱 : 外からの視点でみる古代秋田の歴史』 熊谷公男 2021 高志書院
※3 鷲生は最近知ったのですが、全国の図書館を検索できるサイトが「カーリル」です。
日本最大の図書館検索「カーリル」 https://calil.jp/
※4 Wikipedia「秋田城」に、「秋田城国府説と非国府説について」という項目が上がっています。
※5 どちらも吉川弘文館です。
『古代の東国①坂東の成立: 飛鳥・奈良時代 』
https://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b272895.html
『古代の東国②覚醒する〈関東〉: 平安時代 』
https://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b286024.html
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