凪良ゆうさんの「わたしの美しい庭」から
図書館で目に留まったので、凪良ゆうさんの『わたしの美しい庭』(※1)を借りてきました。
鷲生が現在考えているお話に参考になりそうなエピソードがありました。
ゲイの男子高校生が、ゲイ差別をするクラスメイトに「謝られる」場面が出てきます。
彼らは「謝る」のですが、差別を止めるつもりはありません。
「これからもお前のことは気持ち悪いと排斥するけど、許してくれよな?」という意味で「謝る」のです。
そう、反省なんかしていないのに謝る人っていますよね。
「謝ってるんだから許してくれるでしょ」という期待込みで「謝る」。
だけど、それは誤っている自分を正当化するため。
だから、本当に自分のことを悪いと思っていない人からの「謝罪」は、されるこちらも迷惑というか。
「謝られると許さなけれならない」のが嫌。
向こうはそんなこちらの足元をみて「謝罪」をしてくるし、「許す」と言わなければ「謝罪を受け入れないなんて!」とここでこちらを非難する気マンマンです。卑怯ですよね
この文章を書くにあたって、鷲生は自分の毒親を想定していますが(※2)。
他にもこういう人、場面はあるかと思います。
それを凪良ゆうさんが作品で描写して下さったので、こういうキャラが出てきたときの参考にさせて頂こうと思うのです。
凪良ゆうさんは『流浪の月』(※3)『汝、星のごとく』(※4)で2回も本屋大賞を受賞した作家様です。
さすが本屋大賞受賞作品だけあって『流浪の月』も良かったですよ~。
BLを書いていた方だそうですが、『流浪の月』はそうではないです。登場人物や彼らのエピソードが、凄くマイノリティな設定のはずなのにリアリティがあって……。主要キャラの謎もアッと驚く内容です。鷲生は一気読みしました!
『わたしの美しい庭』では、別の登場人物が職場で大人しくしていなければならない場面を「達観した先輩という器の中に、ぎゅうぎゅうとむりやりに自分を押し込んでいく」と表現してらっしゃいました。
うーん。さすがプロの作家様、巧いですね……。
『流浪の月』も『わたしの美しい庭』も良かったので、今度は『汝、星のごとく』も読んでみようと思います。
某ネット書店での作者紹介では京都市在住でいらっしゃるとか。
どこかですれ違っているかもしれないと思うと、ちょっと嬉しい気がします。
繊細な心情描写が美しいエエ作家様ですよ~と皆さまにもオススメいたします。
※1『わたしの美しい庭』(ポプラ社Webサイト)
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008272.html
※2 鷲生の毒親の話はコチラの小説のモデルにしております。
「京都市左京区下鴨女子寮へようこそ! 親が毒でも彼氏がクソでも仲間がいれば大丈夫!」
https://kakuyomu.jp/works/16816927860159349467
※3 『流浪の月』(東京創元社Webサイト)
https://special.tsogen.co.jp/rurounotsuki
※4 『汝、星のごとく』(講談社Webサイト)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000366625
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