【和風F】平安ファンタジーの資料にすごくいいかも!『平安時代天皇列伝』

 金曜日に届いた『平安時代天皇列伝』を読み進めています。

 桓武天皇から始まって、一条天皇まで読みました。


 一条天皇っつーたら、まさに源氏物語の書かれた当時の天皇です。


 清少納言の仕えた定子と、紫式部の仕えた彰子をキサキとする一条天皇。

「平安時代」「王朝文化」が好きな方が真っ先に思い浮かべる時代ではないでしょうか。


 まだ最後まで読み終えていませんが(最後は安徳天皇です)、この一条天皇のところまで読んだので、一つの区切りとして、鷲生もこの本の感想を述べてもいいのではないかと思います。

「この本、平安ファンタジーの書き手にすっごく参考になる本かも!」と鷲生は思いますし、おススメですよ~。


 平安ファンタジーを書く場合、やはりミカド、大貴族、皇位継承、姫君、結婚、恋愛……なんかを盛り込むことになるかと思います。

 物語の華ですしね!


 この『平安時代天皇列伝』では、平安時代の天皇の人物像が、それぞれの執筆担当者様の人間味あふれる筆致で描かれています。

 書き手様は歴史学の研究者ですから、史料を基にされています

 どのミカドも、リアリティを持った人間性が伝わって来て、平安ファンタジーを書く上でキャラ設定の見本になりそうな内容です。


 平安時代と言えば、藤原氏に天皇が傀儡にされていたというイメージも強いですが、この本ではそれぞれのミカドが皇位継承に積極的に動いたという面にフォーカスして述べられています(ただ、その分、キサキとの恋愛感情についてはあまり強調されていないかもしれません)。


 つい先月発売された新しい本ですが、上記の内容についての先行研究もしっかり記載されています。

 その参考文献のリストも新しいですから、「ほほ~、こんな本や論文が出てるんだ!」と興味深く読んでおります。


 パラパラっと今、ページをめくって目がとまったのは……。


 岩田真由子『日本古代の親子関係─孝養・相続・追善』

 倉本一宏『平安朝 皇位継承の闇』

 仁藤智子「平安初期の王権─女帝・皇后不在の時代」(『古代王権の史実と虚構』)

 服部早苗『平安王朝の子どもたち─王権と家・童─』

『日本歴史』編集委員会編『恋する日本史』


 などなどです。


 っていうか、この記事を書くのに、「そういえば『恋する日本史』って本、読んでみたいな~」と思って出版元の吉川弘文館のウェブサイトをのぞいてみたら、面白そうな本が一杯ありました※。


 うわあ、世の中には読みたい本がいっぱいです!

 せっせと読んで次回作につなげたいと思います。


 これから和風ファンタジーを書こうとなさる方、この『平安時代天皇列伝』はこの本自体も面白いですし、この本に挙げられる参考文献をたどっていくといろいろ興味深そうな本の情報も得られて、おススメですよ~!

「幼帝の出現と皇位継承」(『天皇はいかに受け継がれたか』)


 ※吉川弘文館の『恋する日本史』の紹介ページです↓

 https://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b555764.html

 下の方に関連書誌が挙げられます。


 あと。宣伝ですw

 鷲生は平安ファンタジー小説でカクヨムコンに参加しております。

 ぜひ!

 ↓

「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」

 https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393


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