【中華F】篠原悠希さんの『金椛国春秋』シリーズ、イイですよ~!

 ここ何か月か、篠原悠希さんの中華ファンタジー『金椛国春秋』シリーズを読んでいます。


 角川文庫から、そうKADOKAWAからの出版ですw


 出版社の紹介サイトはコチラ

 角川文芸Webマガジンカドブン「金椛国春秋」シリーズ

 https://kadobun.jp/character-novels/character-novels-series/jinhua/


 内容のご説明は……鷲生が下手な文章で書くより、出版社様のサイトのプロが書かれた宣伝文を引用した方がいいかと思います。


 ちょっと長いですけどw、内容が豊かなので、端折って説明してもこれくらいになると思います。


「生きる、何があっても。理不尽な運命に立ち向かう少年の中華ファンタジー!

 大陸の強国、金椛(ジンファ)帝国。名門・星家の御曹司、遊圭は、ひとり呆然と立ち尽くしていた。

 皇帝崩御に伴い、叔母が皇后に選ばれ……。

「皇帝に外戚なし」の法のもとに、星家は一族すべて殉死を命じられたのだ。

 一家の療母(薬師)、胡娘(コジョウ)の助けにより、一人逃げ延びた遊圭は、町娘の明々に出会う。

 明々はかつて遊圭に救ってもらったことを恩に感じており、遊圭を匿ってくれた。

 その矢先、明々の後宮への出仕が決まる。再びの絶望的状況に、明々はからりと言う。

「あんたも、一緒に来るといいのよ」

 ――かくして、小柄で女子にも見える体躯を生かし、少年・遊圭は女装して後宮へ出仕することに。

 しかし美貌の宦官・玄月に正体を疑われ……。

 つぎつぎと襲いかかる試練に、対抗できるのは己の知恵と仲間だけ。

 理不尽すぎる世の中で、少年は生き抜くことができるのか。

 傑作中華風ファンタジー!」


『金椛国春秋』シリーズは最初の『後宮に星は宿る』から本編が10巻あります。その後に刊行された2作は、サイドストーリーの短編集ですね。


 上述の宣伝文は第1巻の『後宮に星は宿る』だけの内容です。

 巻冠を重ねるごとに、主人公には後宮でさらに試練が襲い掛かってきますし、中盤で舞台は西域へと移ります。もう命がけの危機を頭脳で切り抜けていくドキドキハラハラの展開です。

 ものすごくスケールが大きいんですよ~。


 あと、作者様の時代背景についての知識がすごいと思います。

 あとがきにあるとおり、架空小説(ファンタジー)の背景として採用されているのは必ずしも史実通りではありません。


「『金椛国』は架空の王朝です。行政はや後宮のシステム、度量衡などは唐代のものを、風俗や文化は漢代のものを参考にしております」(「あとがき」より)


 思い出されるのはかの少女漫画の名作『ベルサイユのばら』。オスカルたちが着ている軍服は、池田理代子さんが「あえて」ナポレオン時代のものを採用したというエピソード。絵柄として映えるからだそうです。


 物語世界を構築するのに、こうやって史実をアレンジするのはアリだと思います。

 というか、史実通りが良ければ歴史書読んでりゃいいわけですしね。


 そして、作者様が唐代や漢代について該博な知識をおもちであることは、文章の隅々から伝わってきます(それも、これ見よがしにひけらかすようなところはなくて、必要に応じでさりげない感じです)。


 狭い意味での中国だけでなく西域についてとても豊かな知見がおありのようで、勉強になります。


 この『金椛国シリーズ』。鷲生は、ある意味、史資料に準じるものとして参考にしていいんじゃないかと手元に揃えようとしています。。

 全てではないですが、いくつか文庫の巻末に参考文献が掲載されていたりしますし。


 読んでて楽しいだけでなく、創作する時にも手引きとなる読み甲斐のある作品です。


 皆さまも機会があればぜひ御目通しになってみてくださいませ。

 ちなみに、この作品を検索するときに『椛』と入力するときは「もみじ」で変換すると出てきますよ~。

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