【和風F】京都府立歴彩館の「ときめく♡源氏物語」その2

歴彩館で催されている「ときめく♡源氏物語」で集められている書籍の紹介です。


前回に引き続く第2回です。


前回の記事はコチラ→https://kakuyomu.jp/works/16817330661485429107/episodes/16817330662016897991


「平安時代の生活を知る」というくくりでは以下のような書籍があります。


●『源氏物語と平安京:考古・建築・儀礼』

「寝殿を中心に左右対屋があり、南池に中島が浮かぶ光源氏の邸宅『六条院』は、寝殿造りの理想形でした」


鷲生は平安ファンタジー小説を書いていますが、それを書く前に読んでおきたかった……。

キャラクターを動かすのに、建物の構造とかを頭に入れておきたかったので。

今、図書館から借りてきて読んでいますが、考古学や建築学からの実証的な記述が面白いです。


●『平安京と王朝人:源氏物語の雅』

「都の夏はシースルーで克服? ダイエットには水飯と湯漬け!平安時代の衣食住を、歴史資料や写真で解説します。」


鷲生は自作の平安ファンタジーを書くとき歴彩館の閲覧室で、この本をPCの横に広げておいて参照しながら書いてました!

平安ファンタジーを書こうとする人が最初に手にする一冊として手ごろじゃないかと思います。


●『古典がおいしい! 平安時代のスイーツ』

「『源氏物語』で蹴鞠のあとの腹ごしらえに食べる「つばきもち」と、出産祝いの宴に出る「ふずく」のレシピを公開!」


古典に出てくるお菓子を、現代的にアレンジして再現しやすく紹介して下さってる本です。

一度見てみたかったので、ここで出会えてよかったです。

また、この本の巻末に参考文献として挙げられた『斉民要術 現存する最古の料理書』という本は、中華ファンタジーを書く資料本として大当たりでした!


●『平安京のニオイ』

「涙を拭いた袖の香の臭いや香りの君の芳しい匂いなど、『源氏物語』にはさまざまな『匂ひ』の描写があります。」


確かに源氏物語で出てくるような雅な香りについては、後ろの方で述べられていますが……。

本のタイトルは「匂い」ではなく「ニオイ」。

目次を見ると「糞尿都市」「屍臭都市」とあり、公衆衛生や災害について書かれています。負の側面と言いますか……。


でも、貴族の雅な「匂い」がいかに高貴であったか、汚濁にまみれた下々の暮らしを描写するとより一層引き立たせることができるかもしれませんね。


●『源氏物語花ごよみ』

「 第35帖「若菜下」に出てくるカジノキの葉は、七夕祭りに和歌を書いて楽しむ習慣がありました。『源氏物語』に登場する草木を写真と共に解説」


歴彩館では書庫に入っているそうです。


国会図書館のサイトには「注記 京都新聞連載記事1-48(2008.4.12-2009.3.28)を京都府立総合資料館においてスクラップしたもの」とあります( https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I065159652-00 )。


皆さんが行かれそうな観光地だと、平安神宮の神苑に源氏物語をはじめ、古文に登場しそうな植物の展示栽培したエリアがありますよ。


●『平安朝の女性と政治文化:宮廷・生活・ジェンダー』

「平安時代、虫歯は「齲歯」と書き、「むしかめは」と呼ばれていました。はたしてその治療法とは………?」


いや、確かに虫歯についての論文もありますがw


「あとがき」によれば歴史学者の服部早苗さんのお弟子筋にあたる人々の論文集で、堅い内容が多いです。


目次から論文タイトルを抜き出してみると「兼道政権の前提―外戚と後見」「国母の政治文化―東三条院詮子と上東門院彰子―」「平安朝の女性たちの日常語―『栄花物語』の人称詞を中心に―」などなどです。


真面目に勉強するための書物ですね。


●『平安貴族の実像』

「才能がない人、勤勉な人、酒色におぼれる人………現代にも似た人間味豊かな官人の姿があります。」


開架のはずですが、棚には見当たりませんでした。

京都市図書館にあったので予約いれておきました!


●『平安京の下級官人』

「出世は見込めず給与も少ない。与えられた業務をこなすだけの毎日で、下級官人が仕事をサボる言い訳とは?」


これは2022年に出版れたもので、著書の倉本一宏さんご自身やそのファンの方々のツイートをツイッターで見かけました。


有名かつ発信力の高い歴史学者様の近著ですから、これは読まないと!

Twitterで見かけたときにも「読まないとなー」と思いつつそのままだったので、これを機会に読みます!


●『紫式部の生きた京都:つちの中から:源氏物語千年紀記念出版」

「考古学の知見から、平安京出土遺物を基に、『源氏物語」が生まれた時代背景を探ります。」


これは「京都市埋蔵文化財研究所」監修の本で、発掘現場と出土品がメイン内容なので、ファンタジー書きにとっては渋すぎるwかもしれません。

現代の地図と重ね合わせて図示してくれているので、「昔の大極殿は今の千本丸太町なんやな~」みたいな情報が得やすいです。


●『平安仏教と末法思想」

「末法思想に基づく天台浄土信仰が広がった平安時代、『源氏物語』にも天台の信仰に係る描写があります。」


開架だったので手に取りましたが……これは専門性が高い学術書ですね……。

出家について取り上げる方には興味ぶかいだろうと思います。


鷲生本人は「専門外やし……」とイマイチ気乗りしないままページを捲っていたのですが。

230頁に「尼削ぎ」と「完全剃髪」の違いについて書かれているので面白そうな気がしています……時間があったら読むかも、です。


*****


催しの案内、ブックリストは歴彩館のウェブサイトから見られます。ご興味のある方はぜひご覧になってはいかがでしょう?


京都府立「歴彩館」公式ウェブサイトはコチラ→ https://rekisaikan.jp/

源氏物語の関連資料紹介コーナーのお知らせはコチラ→

https://rekisaikan.jp/news/post-news/post-12660/

ブックリストのPDFファイルはコチラ→

 https://rekisaikan.jp/cms/wp-content/uploads/4a2f6cc4dcb723fcc0857d5ff76cb0dd.pdf


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