【和風F】『夜は短し歩けよ乙女』の一番「分かるぅー」なシーン。
昨日は、五山の送り火から、大文字山のふもとに広がる京都大学キャンパスに連想が飛び、そして森見登美彦さんの和風ファンタジー『夜は短し歩けよ乙女』のお話をしました。
『夜は短し歩けよ乙女』の第二話では下鴨神社で開かれる納涼古本市が舞台となっています。
昨日、鷲生の家族が下鴨納涼古本市に行ったので、夕食時に自然と森見さんの『夜は短し歩けよ乙女』の話題になったのですが……。
その下鴨納涼古本市のお話の中に、鷲生が読んで最も印象に残るシーンがあります。
そして、鷲生の家族も「分かるぅー」と同意してくれました。
下鴨は京都のわりと高級住宅地であり、京都大学や同志社大学などのキャンパスに近く大学関係者のお宅が多いせいか、古本市にも哲学・文学の高尚な書籍が並びます。
そこに足を踏み入れた『夜は短し歩けよ乙女』の主人公の大学生くん。
彼に古本たちが語りかけてくるんですよw(80頁、94頁)。
「俺らを読んで、ちっとは賢くなったらどうだい、大将」
「お前は俺すら読んでないじゃないか。恥を知れ、このへっぽこ野郎」
「骨のある本を読んで、ちっとは魂を鍛えろ。たとえば俺だ」
鷲生の友達で、京都大学文学部卒二人にこのシーンを話すと「分かる分かる!」「あるある!」と大ウケでしたw
東京大学文学部の人にもしたところ。
「分かります。私も大学生協書籍部が怖くて……」とのことでした。
ええ、ええ、そうですよねw
人文社会系の本棚から、ジル・トゥールーズとかジャック・ラカンとかフランス現代哲学な人たちが「お前は俺たちくらい読みこなせるよな? 他の学部はともかく文学部だろ?」と話しかけてきそうで怖いですw。
大学を離れても、大型書店でその手の本があるエリアを遠目で見かけただけでも、無駄に心拍数が上がってましたw
あ。鷲生は彼らと話があったことはないですw
読書に対する複雑な学生の心の機微を森見登美彦さんがとっても上手に言語化して下さったと思います!
ちなみにこの場面は「古本市の神」が登場します。
「悪しき蒐集家の手から古書たちを解放する。僕は古本市の神だ」と雨上がりの空を指しながら(111頁)。
森見さんには熱烈なファンも多く、私が子供の保護者会でふと森見さんのことを話すと、よその家のお母さんがアツく――それはもう鷲生の手を握らんばかりにアツく――森見ワールドの魅力を語ってくれましたw。
また。
子どもの小学校の行事で、出町柳駅近くの桝形商店街でお店屋さん体験をしたのですが。
その商店街が森見登美彦さんの小説に登場するらしく、「聖地巡礼」の対象となっているようです。
休憩コーナーのノートには「ここに来れて幸せです!」という感じの書き込みがいっぱいありました。
森見さんはクセがあるので、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、個性的であるのは間違いなし。
まだお読みになっていらっしゃらないなら、是非トライしては如何でしょう。
よき読書体験となりますよう、お祈りしております。なむなむ!
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