第5話 処女をすてたい
仕事を九時で切り上げ、珍しくまっすぐ帰ろうとした中央線快速に乗った。やることがない時の癖で、スタビを見ているうちに、ふといたずら心が沸き上がってきた。
時たま見かける投稿で、処女を買ってくださいという女の子がいる。実は数週間前にそんな女の子と知り合ったことがあった。
その子とは連絡の行き違いもあって結局合わずじまいだったのだが、まあ相手はJK、それはそれでよかったと思っていた。
ふと思いついたことはその逆で、処女を奪ってあげるよ、そんな誘いを載せたらどうなるかということだった。
まあ、そんな話はないだろうとは思ったけれど、当時のスタビは何でもありということもあって、ちょっと文章を載せてみるきになったのだ。
11歳の女の子が「やろうよ、生理まだだから生で行けるよ」というような投稿を載せる時代だった。
その日は形成大久保の駅の近くのキャバクラで馴染みの女の子をお持ち帰りし、投稿自体もすっかり忘れていた。
二日ほどはちょっとした事件があり、さすがに遊ぶ暇はなかった。ラインからは外れた専門官というスタッフではあったが、課内がバタバタしているときに一人のんきに遊ぶわけにはいかない。
四日目にスタビを開けると、メールが何件か来ていた。一番最後のは文面から怒りとがっかりがあふれていた。
「いたずらならひどすぎます、私、本気だったのに、私が太ってるからですか」
一瞬そのメールが何を言っているかはわからなかったのだが、順番に読み進むうちに彼女が何を怒っているかが分かった。
彼女は処女を奪ってほしいとメールをしてきたのだ、しかも何回かのメールで、悩んだ末にということも理解できた。
「ごめん、急な仕事でメールが見られなかった」
そんな言い訳から始まったメールのやり取りは二日間に十通余りになった。
彼女は栃木県の女子高から千葉大に進学した十八歳。
オケ部に所属しているらしい。周り処女を卒業していくので、自分も何とかしたいということだった。
華金(すでに死語だが当時はまだこの言葉が生きていた)に新宿で待ち合わせをすることにした。
JR新宿駅東口、俺のいつもの待ち合わせ場所だ。
「亮さんですか、杏子です」
振り返ると俺より十数センチ低い身長の、ややぽっちゃりとした女の子が、恥ずかしそうに立っていた。
うーんそのミニのワンピースはどうなんだろうと思うところはあったが、セミロングで二重のかわいい顔立ち、はっきりとわかる巨乳、のある意味そそる女の子がいた。
ちなみに、俺は巨乳はあまり好きではないが、さりとてまるっきり苦手というわけでもない。
「こんなおやじでがっかりした?」
「いいえ、最初は年上の人のほうが、その、、、」
杏子は真っ赤になった。
「あ、なるほど、期待に添うように頑張るね」
とりあえず、気分を和らげるために、居酒屋に入った。
「お酒は?」
「あ、少しなら、そうですよね、うん、飲んじゃいます」
杏子は、ビールのジョッキを一気に半分ぐらい飲み干すとニコッと笑った。
かわいい、俺の下半身は一気に固くなった。
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