第4話 貴和と

 次の土曜日、亮は、貴和とラブホの一室にいた。レンタカーを借りようかと思ったが、知らない道で彼女を乗せて事故でも起こすとシャレにならなとやめたのだ。


 結局、稲毛海岸の近くまでタクシーに乗り、後は歩きだ。

「家近いんでしょ、誰かに見つかったらまずくないの?」

「大丈夫だと思う。私、結構男の人と歩いていること多いから」

 それはどう考えればいいのだろう。


「あ、そういうことじゃなくて、友達多いから」

 まあ、彼女がいいというなら、亮にとってはどうでもいいことだった。相手は人妻、どう考えてもセックスフレンドにしかなりようがない相手だろう。


「ともちゃんは?」

「実家のばあちゃんが見てくれている、仕事の時はたいていそう」


「仕事?」

「うん、援助交際」

「え、そうなの。じゃあ、今日のこれは」


「違う、そりゃあ、お金くれたら嬉しいけど、ただでいいよ、ともを助けてくれたお礼」

「そういうことか、まあ、そうだろうなあ」

「嫌になった? 私のこと」

「ううん、それはないけど」


「けど?」

「だんなさんいるんだよね? なんで、ごめん立ち入ったことだよね」

「いいよ、誰かに話したかったんだ、でもその前にしよ、亮さんに抱かれたい」


 脱いだ貴和は、さすがに均整の取れた体をしていた、未だにキャンギャルができそう、亮はそう思った。


 キスを求めてきた貴和に応え、唇を重ねる。久しぶりの人妻だ。

 彼女のそこは、ヘアも薄く、割れ目の長さも小さめだった。


 舌を当てると、そこは人妻、すぐに切なそうなあえぎ声を上げ始めた。

 「お願い、入れて」

 え、っと思う。まだ何もしていない。でも、確かに舌は、女性特有の味を感じ始めている。


 亮は固くなったものを入り口にあてがうと、ゆっくりと腰を進めていった。

 そこは十分に濡れてはいるが、狭いのだろう、侵入にはそれなりに力が必要だった。


 中学から体を売り始め、子供も産んでいるとは思えないきつさだった。

 気を抜くとすぐに終わってしまいそうだ。


「いって、いっぱい出して。亮さんの欲しい」

 生なのだが、たぶん大丈夫という貴和の言葉を信じた。

 

 シーツをつかんだ貴和の頭が左右に振れる。彼女は声を殺して喘ぐ。ここで必死に耐えている顔が色っぽい。それだけで下半身の血流が増えるのがはっきり感じられる。


 ここで「いくいく」などといわれたら逆に興ざめになる、それは援助交際じゃないという、証なのかもしれない。


 そうなれば玉に声を出させたいと思うのが亮だ。彼は元来あまのじゃくなのだ。

 そんなことを考えることで、亮はどうにか面目を保つことができた。


「乱れちゃった、恥ずかしい」

「なんで、恥ずかしくなんかないじゃん。せっかくしたのに、気持ちよくなかったらいやだと思うけど」


「亮さんって面白い」

「そうかな、でもなんで久しぶり?」


「だんながしてくんない」

「え、なんで、もったいない」

「疲れてるから、面倒なの嫌なんだって、子供寝かせるの待つのも」

 確かに、分かるような気はする。


「それであいつは一人でしてる」

「ふうん、だから援助で相手探し?」

「それはお金のため。まだ安いんだ給料が、独立して一人親方になったら稼げるんだけど今は」


「そっか、じゃ俺も寄付しなきゃ」

「ほんと、ごめんね」

「いいよ、こんな、いい身体なんだから」

 亮はそういうと貴和の身体を抱き寄せた。

「亮さん好きだ、もう一度抱いて」


「今度からは家に来て、今日このまま家を教えるから」

「旦那さんは」


「遠くに出張して、家を空けること多いから、今日もそうだよ」

「今日家でもう一回?」


「さすがに今日は無理、片付けてないから恥ずかしすぎる」

 まあ、そうだろうと思う。取りあえずの相手としては貴和は申し分ない、彼女にキスをしながら亮はそんなことを思っていた。













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