第13話 装備


「タクトさん!」

 チエリちゃんから指示が出るので避ける。

「はいよ!」

「アイスランス」

 魔法はゴブリンキングに当たり砕ける。

「タクト!」

 今度はレイナから指示が来るので一緒に攻撃する。

「おう!」

「はぁっ!」

 ゴブリンキングは倒れてドロップ品になった。


「なかなかやるわね」

「レイナさんこそ凄いです」

「そう?」

 なに和んでんだよ。俺は心臓バクバクなのに!

「タクトさんは今まで通りでお願いします」

「そうね。いつも通り動いていいわよ」

「はぁ」

 まぁ、仲良くやれるならそれでいいけどさ。


 深層でボスを倒し、仲良く上に戻って行くレイナとチエリちゃん。

「二人は仲良くなったね」

「そうですか?」

「普通よね?」

「それよりチエリでいいですから」

「え?」

「チエリちゃんって呼びにくいですよね?」

「そうかな?」

「そうです、だからチエリでいいですから」

「はい」

 チエリが強くなってる。

「まぁ、パーティーだから仕方ないけど、ね」

「はい!分かってますよ」

「なら別にいいけど」

 バチバチは続くんだね。まぁいいや、通常運転でいこう。

「チエリはいま魔術師?」

「はい!もうすぐ変えますけど」

「そうなんだ?レイナは?」

戦乙女ヴァルキリーよ」

「へぇ、まだツリー残ってるの?」

「もう残ってないわ」

「そっか」

「タクトは?」

「俺はシャドーナイト」

「へぇ、そんなのもあるんだ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

藍沢 拓人アイザワ タクト 18歳 (ハイ)ヒューマン

レベル99(149) 職業 シャドウナイト(ブラックスミス)

 力 SS(EX)

 体 SS(EX)

 速 SS(EX)

 知 S(EX)

 魔 S(EX)

スキルポイント 210

スキル 軽魔法 六大魔法(火、風、土、水、雷、氷、) 重量軽減 罠解除 鍵開け スラッシュ ダブルスラッシュ パリィ ため斬り グランドクロス 罠探知 索敵 ドロー マップ (隠蔽) クローキング 投擲 バックアタック 一撃 (鑑定 値切り 売却UP 交渉 影斬り 影渡り シャドウストライク 修理 製作 付与 オーバートラスト)

ユニーク インベントリ 宝箱探知 剣装備時力30%UP 一撃死30%UP ショップ(魔力消費量半減  第二職業解放)

称号 (起死回生 ドラゴンキラー)

               ()内隠蔽

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


橘 智絵里タチバナ チエリ 18歳

ヒューマン レベル60 職業 魔術師

 力 C

 体 C

 速 D

 知 B

 魔 C

スキルポイント 60

スキル 軽魔法 六大魔法 重量軽減 罠解除 鍵開け 回復魔法(ヒール アンチポイズン エリアヒール ハイヒール)

ユニーク インベントリ 回復効果倍増

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

近藤 玲奈コンドウ レイナ 22歳

ヒューマン レベル98 職業 戦乙女ヴァルキリー

 力 SS

 体 S

 速 SS

 知 S

 魔 A

スキルポイント 560

スキル スラッシュ ダブルスラッシュ パリィ ため斬り グランドクロス 連続斬り 突撃 高ジャンプ ローズスラッシュ 

ユニーク 剣装備時力30%UP パーティーメンバー攻撃力30%UP インベントリ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 が今のステータスである。レイナはヴァルキリーから変えたことがないらしくポイントが余り気味。逆にチエリは色んな職業になっているからポイント少なめ。でも良いスキル構成だと思う。


 俺はブラックスミスがあと一つ、シャドウナイトもあと一つだがポイントが無くなるので取っていない。


「もったいないですよ」

「良いの私は」

「どうした?」

「ポイント余ってるなら他の職業に変えれば良いのに」

「まぁ、それは決めるのはレイナだしな」

「そうですけど」

「ヴァルキリーがいいのよ」

 職業にこだわりがあるんだな。


 次の日、

「おはよー、おばちゃん」

「おはよう、お母さんでもいいのよ?」

 いつもの戯言だな。

「おはようチエリ」

「おはようございます」

「チエリおはよ」

「レイナさんもおはようございます」

 朝からバチってるな。

「チエリは後衛だから装備は変えないのか?」

「んー、今のままでもいいと思ってるんですけど変えた方がいいですか?」

「俺のショップ機能で防具を見てみるか?」

「いいんですか!やた!」

 レイナは昨日カードを持ってきて自分の好きな装備を買ったからな。


「えーどれにしよう」

 相当迷っているようだが、やはり見た目で決めたようだ。

「ど、どうですか?」

 ザ魔術師と言う感じではなく黒系統でどこかスチームパンクっぽい見た目の服でショートパンツだから太ももが、

「可愛いよ」

「きゃー、可愛いの買ってもらったわね、どれ私にも」

「おばちゃんはダメでしょ?」

「まぁ。失礼ね!チエリ!貸しなさい私がきてみるから」

「ダメェ!貸しません!」

「ぶー。けち」

「私もあぁいうのにすればよかったかな?」

「レイナはそれで似合ってるよ」

 レイナは濃いめの赤を基調にパーツごとに防具を着けているので凛としていて綺麗だと思う。

 俺なんかパンツも黒で揃えたら全身真っ黒だからな。


 武器はクリスタルメイスと言う杖に俺が『氷』を付与した特製の杖だ。

「わぁ、ありがとうございます」

「チエリはよく氷魔法を使ってるからな」

「はい!」

 レイナのルーンレイピアには『雷』を付与してある。

 もちろん俺のにも付与してあるが、『一撃』がどれだけ効果があるのかわからない。


 さてそろそろダンジョンに向かおうというところで輩が絡んでくる。

「お、レイナちゃんだよね!すげぇなんでこんなところにいるの?」

「おい、こっちの子もかなり可愛いぞ?」

 男二人は俺が見えてないのか?

「悪いわね、私達はいまからダンジョンよ!」

「そんなこといわずに少しだけ一緒に遊ぼうよ!」

「そうだよ!楽しいって!」

 男達は引かないから俺が出よう。

「やめてくれるか?」

「げっ!こいつあれじゃん!暗殺者じゃん」

「く、黒の暗殺者!」

 そう言って逃げていった。


 どうやら動画で見たやつが変な名前をつけたらしい。厨二全開だな。

「さすがタクトだね」

「カッコ良かったです」

「いや、勝手に逃げたんだが」

 逆にカッコ悪かっただろ。


「さて、あんなのはほっといて行くか?」

「ですね!装備も変えたし」

「だね!さぁ行こう!」


 ダンジョンに入ると新装備が嬉しいのか嬉々としてモンスターを倒して行く二人。

 俺は後ろからついて行くだけ。

「見てください!アイスニードルがこんなに太くなったんですよ!」

「こっちも凄いぞ!一撃で相手が痺れてしまった」

「二人ともすげぇな!」

 俺も付与された剣を振るうとズ、ズンと、二回攻撃のようになっていた。

「おぉ!こっちも凄いな」

「早く深層まで行きましょう」

「おう」



 深層まできた俺たちは新しい武器、防具に目を輝かせ敵を殲滅する。

 チエリは魔法を撃ちまくり、レイナは器用に敵を斬り殺す。俺の出る幕が余りないが仕方ない。

 ボスである氷竜も二人でやっつけてしまった。

「やった!攻略ですね」

「あぁ。こんなに簡単なのは初めてだ」

「俺にも残しといてくれよ」

「あ、すいません」

「嘘嘘、いいよ」

 やはりソロでやっていた俺たちだけにこんな短時間でボス攻略はびっくりしているのだろう。レイナは放心している。

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